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子どもの症状 こんなときどうする?

 子どもは、さまざまな病気を経験し、身体に抵抗力をつけながら成長していきます。その過程で、親としては、何度か不安な場面に遭遇するでしょう。とくに、初めての子育てで、身近にアドバイスをしてくれる方がいない方は、その不安も大きいと思います。

 子ども(特に乳幼児)は、具合の悪さを言葉にして伝えることができません。しかし、多くの場合、顔色が悪い、元気がない、食欲がないなど、様子がおかしいというサインがあります。

 子どもの様子を普段からよく気に留め、こうしたサインを見逃さないようにしましょう。そのためには、子どもとのスキンシップが大切です。

発熱・吐く・下痢

 子どもに異変を感じたときに迷うのは、病医院を受診するかどうかの判断ではないでしょうか?一般的にいって、子どもは大人よりも平熱が高く、多少の熱があっても、機嫌がよく食欲もあるようなら、さほど心配はいりません。

 子どもの症状で多くみられるのが、発熱・吐く・下痢。発熱は、ウイルスや細菌に対する身体の防衛機能の役割を果たしています。自己判断で解熱剤を使うことは避けましょう。38度以上の熱があり、ぐったりしているときは、できるだけ早めに受診します。

 生後6か月を過ぎた子どもが繰り返し吐く、そして体重が順調に増えない、こうした場合は早めの受診が必要です。吐く回数や吐き方、いつ吐くかなど、医師に伝えてください。

 便は、子どもの健康状態を計るバロメーターにもなっています。下痢をしているときは、血液が混ざったような便、あるいは白っぽい便ではないか注意します。また、吐いたり、かぜのような症状をともなうときは、便のついたおむつを持参して受診しましょう。

 さらに、こうした症状がいくつか重なって起こっているときは、病気の可能性が高くなります。子どもに異変を感じたときの基本的な心構えは、病医院の診療時間内なら、迷わず受診することです。乳幼児は抵抗力が弱いため、急速に症状が進むことがあります。とくに、休診日の前日は早めの対応が肝心です。やがて育児に慣れてくると、受診すべきか、様子をみるべきかの判断に困らなくなってくるものです。

泣く・ひきつけ・頭痛

 赤ちゃんが泣いているときは、普段の泣き方と違う点に気をつけます。いつもより泣き声が高い、すぐに泣きやまない、何をしても泣き続けるなどの場合は、病気の疑いがあります。

 子どもがひきつけを起こしたときは、まず、冷静になることが肝心です。大声で呼びかけたり、身体を強くゆすったりすることは逆効果。衣服をゆるめ、安静に寝かせ、吐いたときは顔を横に向け、嘔吐物を拭い取ります。

 乳幼児のひきつけの多くは、38度以上の急な発熱のときにおこり、通常は5分以内に治まります。ひきつけの様子を観察し、時間を計り、5分以上続くときは病医院に連絡するか、救急車を呼ぶなどしましょう。

 子どもは頭痛を訴えることができないので、具合が悪そうにしているとき、頻繁に頭に手をやるようなら頭痛の疑いがあります。

 頭痛には大きな病気が隠れている可能性があることに注意し、早めに病医院を受診することが大切です。 頭を強く打ったとき、意識障害があるときは、大至急病院に連絡しましょう。

 

夜間救急外来と小児救急電話相談

夜間救急外来は、夜間や休日などの緊急時、生命に危険のある方を診療するためにあります。

ところが、子どもの病気で夜間救急外来に訪れるケースの多くが、翌日の診療時間を待っても問題のない症状だそうです。

厚生労働省では、小児救急相談「#(シャープ)8000」事業を行なっています。

これは、休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処するのか、診療を受けたほうよいのかなど、小児科医師・看護師に電話で相談できるというもの。診療時間外のお困りのとき、「#8000」の活用をお勧めします。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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