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冬期うつ病

秋深き 隣は何を する人ぞ

松尾芭蕉

 

 物憂げな晩秋の情感が、この有名な俳句にはとてもよく表現されています。秋という季節には、なんとなく、寂しげ、物憂げなイメージがありますね。とはいえ、日常生活に支障をきたすほどの抑うつ感が長いこと続くとなると、これは心配です。

 数年前から日本でも、「冬期うつ病(季節性感情障害)」という言葉が聞かれるようになりました。

 この病気は、10月の後半から翌年の3月頃にかけて発症します。また20代〜30代の女性に多くみられ、一度発症すると、毎冬ごとに発症するという特徴があります。

 症状としては、身体の倦怠感、集中力の低下、無気力感、過眠など。また、過食症状もみられるので、吐くほど食べてしまう、あるいは、満腹感があるにもかかわらず食欲が過剰にあるなどの場合には、注意が必要です。

 冬期うつ病の発症メカ二ズムは、まだはっきりと分かっていませんが、北欧などの日照時間の短い地域に患者が多く見られることから、光と脳内物質の分泌との関係が影響しているのではないか、という説が有力です。

 こうしたことから、この病気の予防法として、早寝早起きを心がけ、日照時間を有効に活かし、できるだけ日光を浴びるようにすることが勧められています。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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