介護の知恵袋

家庭環境の工夫

 お年寄りのいる家庭、あるいは高齢者の夫婦や独居では、家庭環境、特に住環境の整備は不可欠です。自分の住み慣れた場所で安全に、安心して暮らしていくためには、どんな工夫が必要でしょうか?


手すりをつける

 トイレに行き来する廊下や浴室にも付けることができれば、安心度は増します。また、ベッドの脇に付けて起き上がりやすくすることもできます。 

 

ドアを引き戸に

 玄関のドアが重くて開閉しづらいなどの悩みは少なくありません。また、片手に荷物を持った場合も、引き戸の方が使い勝手がよさそうです。これらの面からも、経済的な問題、あるいは間口の広さなど、事情が許せば引き戸にしたいものです。

 室内でも、ふすま・障子といった和風家具は、頑丈な木製ドアに比べ、より安全といえそうです。リウマチなど手が不自由で、ドアノブをつかんで回すのが難しいお年寄りには、特に引き戸をおすすめします。 

段差をなくす

 いわゆるバリアフリー化ですが、大がかりなリフォームをしなくても、「スロープ」を設置することで、段差は解消できます。つまずきやすい、段差を乗り越えることが難しい、あるいは家の中でも車いすを使用している場合など、移動がとても楽になります。玄関を上がるのが大変なときにも便利です。

 これら以外にも、例えば脱衣場にいすを一つ置くだけで、服の脱ぎ着がとても楽になったりします。お年寄りが生活しやすい家庭環境を考える場合、まず、機能性・安全性がポイントのようです。

 

※介護保険が適用されているお年寄りには、工務店など業者に依頼する際に、工事費の助成などを受けられることもあります。役所の担当課、工務店の担当者などに問い合わせてみましょう。

※手すりを付けるなどする場合、賃貸住宅にお住まいなら、家主さんの許可を得ることも忘れずに。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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