介護の知恵袋

寝たきりにしないために

  高齢者が急病で寝込んだり骨折などのけがで長期間起き上がれない状態が続くと、回復後も、筋肉が衰えます。自力で起き上がったり、歩くといったことが、とても困難になってしまいます。そのまま寝たきりになってしまう人も少なくありません。


普段から心がけること

 私たちの身体は、動かさずにいると、どんどん退化します。関節の拘縮といって関節が固まってしまい、足腰の筋肉が細くなり衰えてしまうのです。 

 いったん寝たきりの状態になってしまうと、肉体的にも、また精神的にも、「立ち上がる」ことが非常に難しくなります。寝たきり状態となってしまうと、今度は、自分でもできるだけ身体を動かさなくなってしまいます。「動きたい」「自分で動かなければ」という気力までも衰えてしまうのです。もちろん介護する側の負担も大きくなることはいうまでもありません。

 急病やけがで寝込んでしまっても、回復したら、早く元通りの生活に戻れるようリハビリしましょう。寝ているだけではダメ、寝ているよりは座る、座ったままではなく自分で立って歩くといった動作を、意識してするようにします。周囲も「寝たきりにしない」という意識を持って接するようにしましょう。動作に時間がかかっても、しんぼう強く見守り、着替えや食事など、1人でできることは介助せずに、自分でやってもらうようにします。

自分でできることは自分でやる! 

 普段からの食生活も、カルシウムを十分にとるなどして骨折しにくい身体づくりを心がけましょう。また、運動も大切です。運動不足は骨密度を低下させ、骨粗しょう症を招く一因となります。散歩(ウォーキング)や軽い運動、日光浴などは、カルシウムの吸収を高め、低下した骨密度を増加させます。これらは高齢になる以前から心がけたいことでもあります。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年2月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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