季節は春。寒くてあまり家の外に出なかった冬が去って暖かくなり、お年寄りの方でも外に出るのがとても楽しい陽気になってきました。
お庭の花を見せてもらいながらご近所を歩くだけでも、とても気分がよくなるはずです。積極的に外出を心がけましょう。
お年寄りで心配なのは、要介護状態が進むにつれ、外出が少なくなることです。では、閉じこもりになってしまう原因にはどんなことがあるのでしょうか。
@身体的な原因
下肢の痛みなどによる、歩行能力、さらには生活体力全体の低下。散歩、体操や運動をほとんどしなくなる……など。
A心理的な原因
転倒不安があり、ひとりでの外出が制限されている。生きがいを感じられなくなっていて、ややうつ傾向にある……など。
B社会的な原因
高齢を理由に集団活動への不参加。日中をほとんど自分の部屋で過ごす。家庭内でも社会的にも担っている役割が、ほとんどない。親しい友人がいない……など。
こうした原因についてはそれを取り除く努力をしなければ、やがて閉じこもりから寝たきりへと進んでしまうでしょう。
閉じこもりになった高齢者は、日常生活の行動範囲が縮小されることで、体力も低下しますし、ますます外出することが億劫になります。
周りの家族も大変でしょうが、できるだけ外出させるようにしたいところです。
一緒に出かけ手を引いてあげて、本人の欲しいものは自分で買い物に行く、などさせてあげましょう。
とにかく外出することは、いろいろな刺激を受けることになりますから、認知症の予防にも効果があります。また、日光に当たることは骨粗しょう症の予防にも効果があるのです。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載