はつらつ健康ナビ

ピロリ菌って何?

 みぞおちのあたリや右上腹部の痛み、あるいは、空腹時や夜間の胃の痛み、食後の胃のもたれ、腹部膨満感など。こうした症状がある場合、慢性胃炎や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の可能性があります。

 ピロリ菌は、こうした胃の病気の大きな原因となっています。

 

感染すると……

 胃には、強力な殺菌力を持つ胃液があるため、最近は存在しないものと考えられていました。しかし、今から30年ほど前、アンモニアを作り出すことによって自らを守り、胃粘液に棲みつく細菌が発見されました。これが、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)です。さらに、ピロリ菌が作り出すアンモニアや毒素は、胃の粘膜に障害を与えることも分かりました。

 ピロリ菌によって炎症の起きた胃に高血糖・高塩分・喫煙・ストレスなどの要因が重なると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発祥のリスクは大きく高まります。ちなみに、胃潰瘍の方で約7割、十二指腸潰瘍では9割以上の方が、ピロリ菌に陽性反応を示します。

 

我慢しない!

 ところでみなさんは、胃の悩みは仕方がないとあきらめてはいませんか?胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因がピロリ菌である場合、薬物療法によって除菌することで、完治が見込めます。胃の悩みは我慢しないで、医師に相談してください。

 また、ピロリ菌の感染は、衛生環境による原因のほか、5歳ぐらいまでの間に母親から感染することが多いとされています。ご家族に、胃の不調を訴える方が多いと感じていたら……胃の健康については、これからはぜひ、こうしたピロリ菌のことも覚えておいてください。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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