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PTSD

 3月11日、国内観測史上最大規模の地震が発生しました。公式には、『東日本大震災』と呼ばれています。そして現在、被害者の方のなかには、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状があらわれている方もいらっしゃいます。

 PTSDの症状が起こるとその心理状態は、記憶のフラッシュバックや悪夢などによって、過去の体験が、現在もなお、継続して起きているかのような錯覚に陥ります。このため、極度の恐怖や自責の念を感じるのです。多くの場合、それらは自然に回復していきますが、日常生活に支障がでるほど重症化することもあるので注意が必要です。

 PTSDに対しては、心理療法と薬物療法によって完全に症状がなくなるか、日常生活に支障がでない程度まで症状を軽減することが期待できる、非常に効果的な治療を受けることができます。

 心理療法では、段階的に体験と似た状況を人為的に作り出すことや体験時の記憶を再構築することによって、その体験を直視できるように治療していきます。これは、エクスポージャー療法と呼ばれています。体験を「無かったこと」として抑えつけてしまうのではなく、過去に起きたこと、そして現在はもう起きていないこととして受け止めることが、回復への重要な要因となるためです。そして、薬物療法により、苦痛や不快感を軽減し、症状を改善していきます。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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