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感染症によるがん

胃がんにつながるピロリ菌。肝臓がんにつながるB型及びC型肝炎ウイルス。そして、「知るほどトピックス」でも取り上げた、子宮頸がんの原因となるHPV。このような菌やウイルスによる感染が発症の原因となるがんは、感染を予防・治療することが非常に効果的ながん対策となります。

まずは、感染を防ぐための1次予防が大切です。これには、どのようにして菌やウイルスに感染するのかという、性交渉やスキンシップ、そして、血液感染に対する正しい知識・認識が必要です。

1次予防では、ワクチンの接種も重要な要因になります。しかし残念ながら、ピロリ菌やC型肝炎ウイルスに関するワクチンは、まだ基礎研究の段階です。ワクチンには、特定の感染症を根絶するほど効果的なものもあります。HPVワクチンが大きな効果をあげていることも含め、がんにつながる感染症に効果的なワクチンの実現が待たれるところです。

そしてもうひとつ大切なのが、検診による2次予防。

日本では、欧米に比べて、感染症によるがんの検診だけでなく、その他のがん検診を含めて、検診率の低さが懸念されています。感染症のがんは、菌・ウイルスのキャリアであることが分かった時点で治療を開始すると、とても効果的な治療が受けられます。感染症ががん化する前こそ、検診を受ける最適なタイミングなのです。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年8月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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