東日本大震災でクローズアップされた「生活不活発病」。2004年に起きた新潟県中越地震では、被災した要介護認定を受けていない高齢者のうち、約3割の方が歩行困難になり、約1割の方は半年たっても回復していなかったと報告がされています。おもな原因は、身体を動かす機会が極端に減少したためと考えられています。
人間の身体機能は使わないと低下し、元に戻すには時間がかかります。ここで悪循環を起こしてしまうと、身体面だけでなく精神面にも影響が及び、知的活動の低下やうつ状態の発生にも繋がりかねません。また、生活不活発病は、災害の被災者だけでなく、普段の生活のなかでも、病気の発症や心理的なショックをきっかけに起こる可能性があります。
厚生労働省から、生活不活発病を予防するためのポイントが発表されています。ぜひ参考にしてください。
▽生活のなかで、動く機会をもつようにする。
▽身体を動かす動機付けにもなるので、家庭・地域・社会に積極的にかかわって、楽しみや役割をもつ。
▽歩きにくくなっても、すぐに車いすを使うのではなく、歩行用の補助具を活用して、歩く工夫をする。
▽身の回りのことや家事で不自由を感じたら、仕方ないと諦めずに、早めに相談する。
▽無理は禁物と思いこまないで、どの程度動いてよいか医師に相談する。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載