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小麦アレルギー

たんぱく質は、そのままでは体内に吸収されず、いったんアミノ酸に分解されてから吸収されます。しかし、過剰な量のたんぱく質を摂取すると分解作業が追いつかず、たんぱく質を排除するための抗体が生成されます。このような感作が繰り返されると一定量を超えた抗体によって、少量のたんぱく質にも過剰な反応を示すようになります。

石鹸やシャンプー、化粧品の泡立ちや保湿性を高めるために加えられた「加水分解コムギ末」−小麦(たんぱく質)を原料とした成分によるアレルギーの発症が、昨年、大きな社会問題となりました。加水分解コムギ末によるアレルギーは感作した後も、食品に含まれる小麦にもアレルギー反応を示したため問題はさらに深刻なものとなりました。

アレルギーの原因が今まで考えられていた物質ではない場合、原因の特定が難しかったり、症例がある程度増えないと全体像が掴みにくいという問題があり、症状が出てから対応までに時間がかかるのが現状です。一度発症すると完治が難しいという特徴がアレルギー疾患にはあります。アレルギーが特に気になる方は、どのような原因によってアレルギーになる可能性が高いかを検査によってあらかじめ調べることもできます。生活の質を維持するために、こうした防衛策がとれます。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年2月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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