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アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、知的障害が認められない自閉症のことをいい、そのおもな特徴は他者とのコミュニケーションに表れます。例えば、相手の気持ちや立場に立って考え・発言することが苦手なため、社会生活に支障をきたすケースが見られます。

こうしたことは、物事を認知する脳の機能と関わっています。このためアスペルガー症候群の原因は、性格や育ち方の問題ではなく、患者の脳に何らかの微妙な障害が起きている可能性が指摘されています。

アスペルガー症候群は、これまでまれな存在として考えられていました。しかし現在では、日本人の約100人に1人は、アスペルガー症候群かそれに類似した病気を患っていると考える研究者もいます。残念なことに、現在のところ、アスペルガー症候群を完全に治療する方法は見つかっていません。一方で、この病気を患う方は成人にも増加しており、社会との軋轢から、うつ病や不安障害といった二次障害を発症する人もいます。

アスペルガー症候群が疑われる場合、できるだけ早めに認識し、社会的な適応能力を高めるために、本人だけでなく周りの人たちも協力する、そうした取り組みが必要です。また、病気のマイナス面だけを見るのではなく、その方の個性としてプラス面を活かしていくという発想も、これからの社会にとっては重要なものとなっていくでしょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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