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双極性障害

躁(気分が極端に高揚する)状態とうつ(気分が極端に落ち込む状態)を繰り返す「双極性障害」は、これまで躁うつ病とよばれていました。その原因は、脳の働きを調整している神経伝達物質のバランスの崩れにあるとする説が有力です。

双極性障害の最大のリスクとして、自殺率が非常に高いことがあげられます。躁状態のとき行った常識的には無分別とされるような行動に対して、気分の波がうつ状態になったときに非常に強い自責の念を抱くことを繰り返すうちに、結果として自己破壊的な行動を起こしてしまうためと思われます。

双極性障害の場合、うつ病と比べて、病気であるという認識を、本人も周囲の人たちも持ちにくいという傾向があります。双極性障害は、気分を安定させるために適切な薬を服用し、医師のカウンセリングを受けることで、症状を改善していくことが可能です。

気分的に異常な高揚感を感じているときに、人間関係や仕事上で大きな間違いを犯す傾向のある方。こうしたことがきっかけとなって、うつ状態に悩んでおられる方――。

双極性障害とうつ病では、治療方針が異なります。双極性障害が疑われる方も、うつ病の方と同様、うつ状態が辛いときに病医院を受診するケースが多いので、調子がよいとご自身で感じているときに、後にうつ状態を招くような行動をとっていなかったかを医師に伝えることがとても重要です。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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