はつらつ健康ナビ

五月病を乗り越える

五月病は病名でいうと「適応障害」と診断されます。生活環境の変化や対人関係のトラブルといった外的要因と、自分の価値観や特質といった内的要因。これらを調和できないことによって起こるストレスが、適応障害の原因と考えられています。

適応障害を軽視しない

仕事や学業、あるいは人間関係などの外的要因は、個人の力では変化させることや取り除くことが難しいものです。自分の価値観といった内的要因も重なってストレス要因となった場合、その悩みはとても深刻なものとなります。適応障害には無気力・不安感・焦燥感といった症状があり、こうした精神状態でストレスに向き合っていくのは、誰にとっても辛いことです。

適応障害は、現在のところ、脳の神経細胞の変化とは関連づけられていません。しかし、うつ病につながるおそれもあり、軽視するのは危険です。

精神的な安定を求めて

ストレスとなっている外的要因に対処するとき、その要因が、特殊なものか一般的なものかによって対応が変わってきます。所属している職場や学校、関係者に独自の問題でしょうか?それとも、どこにでも同じ問題が存在するのでしょうか?また、現在は難しい問題でも、キャリアやスキルの充実といった、自分の成長で解決できる可能性についても考慮する必要があります。

こうした判断は、精神的に安定した状態で行うことが求められます。適応障害を発症しているときの判断によって、自分の生活に、将来に渡る困難をもたらすことのないようにしてください。

適応障害は、病気の原因となっている要因が特定しやすいため、症状が軽いうちに対処することが最善です。病医院で適切な診断を受け、精神療法や薬物療法によって精神の安定を図りながら、ストレスと向き合っていきましょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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