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若い女性にも増えている!?痛風・高尿酸血症

風が吹いても痛い、というほどの激痛の起こる「痛風」

痛風の予備軍ともいえる「高尿酸血症」

現在、日本の痛風患者は、約30〜50万人。高尿酸血症患者は、約500万人ともいわれています。


痛風は、男性がなる病気?

痛風は、かつての日本には、ほとんど見られない病気でした。増加したのは、1960年代以降。食生活の変化が起こり、過食や運動不足が社会問題となるのと同時でした。

ところで、「痛風は男性がなる病気」というイメージをもたれているかもしれません。実際に、痛風の9割は男性患者です。痛風は、血液中の増えすぎた尿酸が、結晶化して関節に溜まることによって起こります。女性ホルモンには尿酸の排出を促す働きがあるため、基本的には、女性の痛風患者は少なくなっています。

ところが、最近、女性の痛風患者が増えてきました。そこには、女性のライフスタイルの変化が大きく関係しています。過食や運動不足が、女性の間にも広がっているのです。とくに気をつけたいのは、女性ホルモンの分泌が減ってくる更年期を迎えている女性です。

尿酸値は、健康診断の項目に含まれているのでチェックしてみてください。血液中の尿酸値が、7mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。

痛風の原因は、プリン体

一時期、マスコミでも大きな話題になったので、プリン体という名前を、ご存知かも知れません。「プリン体カット」をセールスポイントにしたアルコール飲料もありました。

尿酸値が高くなる原因は、プリン体にあります。プリン体が尿酸になるからです。プリン体は、細胞の核のなかにあり、細胞が分解されるとき、放出されます。食品の大半に含まれ、細胞数の多い食品ほどプリン体は多く存在します。

プリン体に関しては、近年、とても重要なことがわかってきました。それは、食品や飲み物から摂るプリン体の量より、体内で合成されるプリン体の量のほうが、多いという事実です。

このため、痛風・高尿酸血症対策には、プリン体の過剰摂取を意識的に抑えるということも大切ですが、それだけでは、不十分だと考えられるようになってきました。では、どのような対策が求められるでしょうか?

肥満対策

高尿酸血症には、肥満が関係しています。肥満は、体内のインスリンの働きを悪くします。これによって、尿酸の産生量の増加と、尿酸の排出の阻害が起こるためです。

肥満を客観的な数字で表すために、BMI(体格指数)が使用されます。ちなみに、BMIの値は、22であれば標準、25以上だと肥満と判定されます。BMIの求め方は、左の計算式を参考にしてください。

BMIが25以上の人の、実に、4人に1人が高尿酸血症を発症しています。高尿酸血症は、痛風だけでなく、腎臓の機能低下や尿路結石の原因にもなります。

BMIが25以上であれば、ただちに生活習慣を改める必要があります。プリン体の多い食品を避けることも大切ですが、まず、食べすぎ、飲みすぎを改善するようにしましょう。食生活の改善は、栄養のバランスを重視して、食べる量や消費カロリーに注意したほうがより効果的です。

そして、水分を多めに摂って尿の排出量を増やすことを心がけてください。さらに、運動不足を解消するために、有酸素運動(ウォーキングやジョギング)を行なう習慣を取り入れるようにしましょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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