狭心症や不整脈が心臓疾患であることはご存じでしょうが、どんな病気で、どうして起きるか、となると「よく分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は心筋梗塞に繋がる危険な狭心症と不整脈について勉強しましょう。 |
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動脈狭まり、心筋が酸欠 胸が圧迫されるような痛み |
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〔狭心症〕 | ||||
◆その種類 狭心症は、「労作狭心症」と「安静狭心症」の2つに大別されます。@労作狭心症は身体を動かしたり、精神的に興奮したとき、心筋の仕事が増えて発作が起きるものA安静狭心症は安静にしているときにも発作がおきるタイプで、深夜から明け方に発作が起きる異型狭心症はその典型です。 ◆症状 胸が圧迫されるような重苦しい痛みが現れますが、普通は1分〜10分以内に消失します。胸の中央部に痛みを感じることが多いのですが、放散痛と言って喉やみぞおち、背中、左肩や腕が痛むこともあります。 ◆検査 問診のほか、心電図、運動負荷心電図、超音波、冠状動脈造影などで検査します。 ◆治療 @薬物療法…発作に対しては速やかに冠状動脈の血管を拡張させる硝酸薬が有効です。発作予防にはカルシウム拮抗薬、ベータ遮断薬などが使われます。 A外科的療法…症状が悪化した場合には冠状動脈に挿入したカテーテルの先に付けたバルーンを膨らませ狭窄部を拡げる経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、新しい血液の通り道を作る冠動脈バイパス術などが行われます。 |
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〔不整脈〕 | ||||
簡単に言えば「心臓の拍動の速さやリズムが乱れる病気」です。心臓は右心房にある洞結節から一定のリズムで送られてくる電気刺激にしたがって、拍動しています。この規則正しい拍動を「整脈」と言い、反対に電気刺激の異常などで拍動が乱れるのを「不整脈」と言います。不整脈は脈が速くなる頻脈性不整脈(100回以上/分)と、脈が遅くなる徐脈性不整脈(50回以下/分)に分かれます。さらに症状や起こる部位によって、頻脈では期外収縮・心房細動・心室細動・心室頻拍・上室性頻拍があり、徐脈では洞不全症候群・房室ブロック、があります。 ◆検査 問診と心電図を中心に行われます。またホルター心電図検査では小型の心電図計を24時間携帯して心電図の異常を調べ、どんな状況下、またはどんな時間帯に不整脈が起こるか、を調べます。 ◆治療 @薬物療法…症状に応じて抗不整脈薬、ベータ遮断薬、強心薬などが用いられます。 A心臓ペースメーカー…心臓に植え込み、拍動が遅くなった際に人工的に電気刺激を発して正しい拍動に戻すもので、徐脈性不整脈に使われます。 |
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