夏バテ 一掃その対策を先取り


 厚生労働省の推計によりますと、全国で糖尿病に罹っている人は740万人に上り、さらに予備軍は880万人いるとされています。しかも年々増える傾向にあります。いつの間にか忍び寄る糖尿病は合併症が怖い病気。そこで総合南東北病院第三内科の佐藤和加乃先生にお願いして「糖尿病をよく知ろう」を連載して、糖尿病について勉強してもらうことにしました。

 
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その歴史(1)
アーユルベーダに記述
 糖尿病に関する記録で最古のものは紀元前1500年ころのインドで見られます。伝承医学の文献「アーユルベーダ」(生命の知恵)では、尿成分の異常に関した難治性の疾病のことを「Madhu-Meha(マドゥメーハ)」と呼んでいました。マドゥとは密のように甘い匂いのことで、メーハは尿のことです。この「アーユルベーダ」には「混濁した尿が多く出て、その尿が甘いのでアリやハエが集まり、口渇、口臭などがある病気である。その原因は「昼寝をすること」「座ったままの仕事をして運動不足になること」「甘い飲料」「冷たい物」「脂油質の食物」「柔らかい食物を摂取する」「習慣があり怠惰な生活による肥満だ」と記載されています。「マドゥメーハなマハラジャ(王侯)の病気」とも言われました。
 一方、エジプトでは、エベレスパピルスには「極めて多量の尿を出す病気」と記載されています。さらに、中国にいきますと、医学書「金匱要略」には、当時「消渇症」という病名で記載されています。今でも漢方では糖尿病のことを消渇症と呼びます。また「三つの過多」とも呼ばれます。三つとは多食、多飲、多尿の症状のことを指します。
 

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