発刊にあたって

3大成人病の克服、特に「がん」診断と治療へ 私たちは力を尽くしてまいります。
 
一大がん治療センターへ

総合南東北病院 理事長
渡邉 一夫
 平成18年の新春を謹んでお慶び申し上げます。皆様の温かいご支援、ご厚情を賜りまして、一般財団法人脳神経疾患研究所傘下の総合南東北病院と須賀川・大越・滝根・裏磐梯・檜原の5診療所をはじめ、南東北福島病院、南東北医療クリニック、眼科クリニック、3つの介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、訪問看護ステーション、さらには社会福祉法人総合南東北福祉センターと医療法人三成会南東北春日リハビリテーション病院など、グループ施設は平穏な新年を迎えることが出来ました。心より御礼申し上げます。
 昨年はJR福知山線の脱線事故による100余名の犠牲者を出し、師走には東北でも山形県余目で脱線事故で尊い命が奪われました。耐震強度偽装のマンションやホテルが明るみに出て、信頼というものがガタ付きました。9月には突然の総選挙があり、小泉劇場選挙は自民党の圧勝となって構造改革は郵政民営化はじめ一気に進みました。しかし、私どもが関係する医療費と介護保険も改革の波にさらされ、大幅な削減となりました。医療費で3.16%、介護保険は2.4%のマイナスとなりました。さらには患者様や施設利用者さんの食住費が自己負担となり入院・入所とも1人1カ月で約10万円の負担増となっています。
 こうした中で、総合南東北病院の昨年1年を振り返りますと、「北棟」が4月にオープンし160の個室や1階にはNABEホールが出来、患者様がより快適な療養が送れることになりました。さらに大きい出来事は、国策でもある「第3次がん10カ年総合戦略」に対応して、高度先進医療の一つ「陽子線がん治療装置」の導入を決断し、暮れに発注したことです。完成オープンは平成21年1月を目指しています。PETとX線(IMRT)そして陽子線治療および外科的治療、化学療法の確立によって世界でも有数のがん治療センターとして国内外から多くの患者様が来ることになり、世界のベスト3の病院の仲間入りに近づけると信じております。またこれも年末ですが、廃止が決まっていた県立リハビリテーション飯坂温泉病院について福島県から指名を受けて、南東北福島病院にこの機能を移し233床の病院に衣替えすることも決まりました。
 人口構成や社会情勢、経済情勢、価値観、税率、社会保障、そして世界情勢がめまぐるしく変わろうとしている時代に、私たち南東北グループは常に怠らず勉強し、人格と技術を磨き、先見性を持って、南東北の原点「患者さん、利用者さんは絶対に断らない」「最高の医療、健診、福祉、介護を提供する」「思いやりの心(愛と慈悲)を持って診療、介護にあたる」を実践して参ります。
 21世紀医療のキーワードは私は次のようなものだ、と考えております。@救急医療A高度先進医療B生活習慣病の克服、特にがん・脳卒中・心臓血管病の診断、治療、予防C療養、在宅医療、リハビリD予防医学E病院と診療所や病院間の連携F集合住宅とかグループホーム、または医療福祉マンションなど、生活密着型環境との提携G小児医療、周産期医療の導入、です。この8項目の医療キーワードをクリアして行くために、南東北グループでは次のことを徹底させます。

〔すべては患者さんのために〕
@信頼される医療機関をつくること(患者、家族の側に立った信頼)
A救急救命、休日・夜間の診療体制の整備
B外来・入院の待ち時間改善(待っている人の立場に立った対応)
C治療方針の選択に関する分かりやすい説明と同意(文書で)
Dオーダーメイド医療の提供

〔すべては入所者・利用者さんのために〕
@信頼される施設にすること(利用者、家族の側に立った信頼)
A医療・福祉に対する安心できる体制、夜間・休日の安全とサービスの整備
B満足度の向上
C家族への定期的説明、同意(文書化する)
D他施設と違う差別化(パワーリハビリテーション、食事のバイキング、園芸や展示会、職員からのイベント提案制度など)
Eオーダーメイド介護(安心、満足)

 以上、新年の目標をお知らせしました。なにとぞ、今年も旧に倍して、ご支援をお願いし上げます。

平成18年 元旦
 
 
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