寒さに注意!
寒さに注意!
でも油断は禁物です 早めの対応がポイント
 日本気象協会の発表では、平成19年の花粉の飛散量は全国的に例年より少なめで18年と比べても少ない見込みだそうで、花粉症に悩む方には大きな朗報となっています。でも油断は禁物。そこで、季節が関わる病気「花粉症」について改めて勉強しておきましょう。
 “今年の花粉飛散量が少ない見込み”と言っても、花粉の量そのものは過去数十年間に2〜3倍に増えていることは気にとめておかなければなりません。また、過去に花粉症を発症した方は少量の花粉でも症状を起こすこともあります。例年の花粉症の患者さんの傾向として、症状が重くなってから受診する方が多いのですが、アレルギー性疾患への対応は早いほど効果が高まるのです。今年の花粉前線は2月上旬から4月上旬にかけて日本列島を縦断する、と思われます。花粉の飛散日から大量飛散日までの間に受診することがポイントです。
〔花粉症のメカニズム〕
 花粉症は花粉を抗原(アレルギー反応の原因となる物質)として起こるアレルギー反応の一種です。花粉が鼻や目に入ると侵入物をチェックするリンパ球が“花粉を体内に入れてもよいか”を調べます。“排除すべき”と判断すると、リンパ球は花粉に対抗する抗体を作ります。抗体は全身に行き渡りますが、特に鼻・目の粘膜に集中して粘膜の表面にある肥満細胞と結びつきます。そして抗原となる花粉が再び侵入すると、それらは抗体に結合します。すると肥満細胞はヒスタミンなどの化学伝達物質を放出して鼻・目を刺激して涙や鼻水を出して洗い流そうとしたり、クシャミで体外に吹き飛ばそうとしたり、鼻づまりで新たな花粉の侵入を止めようとしたりします。これが花粉症の症状です。
〔その治療法〕
 花粉症の治療には予防療法・対症療法・根治療法の3つがあります。
@予防療法
現在では最も一般的な治療法です。花粉の飛散が始まる2週間前からアレルギー反応を抑える薬(抗アレルギー薬など)を服用する方法
A対症療法
症状が出てから行う治療で、その状態によって服用する薬が変わります(別表)。ただ、同じような症状でも花粉の種類や即効性、副作用の強弱などで使う薬が異なります。
B根治療法
薄めた花粉エキスを数回に分けて注射して身体に免疫を付けさせる方法です。減感作療法といわれるこの治療法は徐々にエキスの濃度を高め身体を慣らすことで花粉に反応しにくい体質に改善するので効果は期待できますが、結果が出るまでに数年かかるため通院回数も多く、重度の罹患者や薬が効きにくい人が対症となります。
使用される薬の種類 (別表)
鼻水・クシャミ 抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬
鼻づまり 抗ロイコトリエン薬、血管収縮薬(点鼻薬)
目のかゆみ・涙 抗ヒスタミン点眼薬、ステロイド点眼薬
〔かからない対策〕
 いわゆるセルフケアでは“花粉を自分に寄せつけず症状を悪化させる状況を改善すること”に尽きます。外出時はマスク、ゴーグルまたは眼鏡を付け、花粉の付きにくい服装を。外に干した衣類や布団は花粉をよく落としてから部屋に入れること。家庭で出来る治療として蒸しタオルを使った温熱療法があります。蒸しタオルで鼻を温めることで、鼻の粘膜にある線毛を活発化させて鼻の粘膜のゴミを排出する効果があり、鼻の通りも良くします。
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