スポーツ障害
 プロ野球のスプリング・キャンプが始まり、暖冬の影響もあって間もなくスポーツの季節がやって来ます。身体を動かすことは体力の維持・向上につながり肥満の解消にも役立ちますが、ケガや蓄積疲労による疲労骨折など「スポーツ障害」を起こす危険性も出てきます。スポーツを健康的に行う方法を取り上げました。
◎スポーツ障害とは?
 一口にスポーツ障害と言っても打撲、ねんざ、骨折など運動中のケガから、疲労による関節の変形、疲労骨折まであります。このため前者を「急性のスポーツ障害」、後者を「慢性のスポーツ障害」と区別します。今回は慢性の障害について、です。慢性のスポーツ障害は、使い過ぎ症候群とも言われ、運動により疲れた身体の組織が十分に癒されずに起こるケースと、同じ部位を使い続けたために起こるケースがあります。原因には@身体能力の限界を超えた運動A過密なトレーニング・スケジュールB同じ部位の使い過ぎC休養や睡眠不足D栄養の不足、などが上げられます。
◎障害を防ぐには
 防ぐのに一番大切なのは、運動を始める前に自分の体力や運動能力を知ることです。自分の状態を知れば身体を必要以上に酷使することはなくなります。特に中高年は若い頃に比べて体力や身体能力が低下していますから、スポーツを始める前に医師に相談し、どの程度の運動がよいか、アドバイスしてもらうことです。運動前の準備運動、運動後の整理体操は非常に重要です。とくに整理体操(クーリングダウン)は筋肉や勒帯などに疲れを残さないようにしますので必ず行いましょう。休養や睡眠、栄養摂取もスポーツ障害を予防する上で欠かせません。運動後はしっかりと休養や睡眠をとって疲れを癒し、日ごろから栄養バランスのとれた食事を心がけることです。
◎障害が出た時の症状 ■別表 起こりやすいスポーツ障害(種目別)
ジョギング 膝の関節痛
足の骨の疲労骨折
野球 肩、肘の関節痛
肋骨の疲労骨折
サッカー 膝の関節痛
膝や足の骨の疲労骨折
テニス 肘の関節痛
足指の痛み
バレーボール 肩や膝の関節痛
腕や足の骨の疲労骨折
バスケットボール 膝の関節痛
足の骨の疲労骨折
ゴルフ 肘、股の関節痛
肋骨の疲労骨折
水泳 肩の関節痛
耳、目の障害
この他、腰痛は多くの種目でみられます
 軽度の段階では運動中に鈍い痛みがある程度です。体力の低下を感じる人もいます。段階が進むと、運動を終わった後にも痛みが残ったり、安静にしている時でも痛みを感じるようになり、場合によっては激痛が走ることもあります。このような症状は行った運動の種類で現れやすい部位が異なります(別表)。
◎障害が出たら?
 症状が出たらその部位を安静にしていることが最も大切です。また組織が変形したり、骨折しているなどの外科的な損傷がある場合も珍しくありません。痛み、違和感があったらすぐ整形外科を受診して下さい。ただし、スポーツ障害と診断されたからといって全く運動をしてはいけない訳ではありませんから、治療中も傷めた部位を使わない運動をある程度続けておけばスムーズに再開できます。

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