南東北 2007年3月

 
トピック
講師、演題とも充実 トップは渡邉理事長(4月19日)
医学健康講座日程決まる
 総合南東北病院が毎月開催している“名物講演会”の医学健康講座は平成19年度も継続して行われます。その新しい日程が決まりました。特に新年度はこれまで各大学医学部や医科大学で教授を務められた先生3人が加わり、演題、内容ともさらに充実したプログラムが組まれました。一般市民を対象にした分かりやすい内容です。お気軽にご参加されて、健康で生き甲斐のある生活をおくるため、病気予防や健康増進に必要な医学知識を身に付けてください。
 年間予定と講師・演題は下記の通りです。開催日は原則毎月第3木曜日ですが、今年度は講師の都合により、5月は第5木曜日、7月と平成20年3月は第2木曜日に、そして8月はお盆のため例年通り第4木曜日になっていますので、ご注意ください。時間はいずれも午後2時から3時30分まで。会場は北棟1階のNABEホールです。毎回、郡山駅前から午後1時30分に送迎バスが出ます。帰りは3時50分病院発となっています。
平成19年度の日程一覧
◇4月19日(木)14時 「三大成人病(がん・脳卒中・心筋梗塞)の予防」
渡邉一夫(理事長)
◇5月31日(木)14時 「“めまい”を診て治す」
山本悌司(神経内科)
◇6月21日(木)14時 「白質病変は脳梗塞の前兆か?」
小泉仁一(脳神経外科)
◇7月12日(木)14時 「乳がんと言われたら?」
寺西寧(外科)
◇8月23日(木)14時 「胃がんの話」
中澤敏弘(消化器内科)
◇9月20日(木)14時 「涙が出てお困りの方へ」
小林奈美江(眼科)
◇10月18日(木)14時 「骨粗鬆症のお話」
鹿山悟(整形外科)
◇11月15日(木)14時 「泌尿器がんの予防と対策」
深谷保男(泌尿器科)
◇12月20日(木)14時 「どうやってわかるの、肺がん・乳がん・子宮がん」
宗近宏次(放射線科)
平成20年
◇1月17日(木)14時 「花粉症と上手に付き合う方法」
今野昭義(耳鼻咽喉科)
◇2月21日(木)14時 「脱メタボリックシンドロームへの道〜運動療法を中心に〜」
舟見敬成(リハビリテーション科)
◇3月13日(木)14時 「皮膚症状は全身のバロメーターです」
金子史男(皮膚科)
☆PET・ガンマナイフ公開講座
聴講者が1万人を突破
 PET・ガンマナイフに関する市民公開講座の来場者が通算1万人を達成しました。当院では、がんの診断と治療に関する最新の情報を一般市民の方へお伝えするため、NPO法人日本コーディネート研究開発機構と協力して「がん医療の最前線」と題したPET・ガンマナイフ市民公開講座を首都圏・北関東・東北各地でほぼ毎週のように開催してまいりました。そして去る2月18日(日)栃木県藤岡町で開催した同講座において、通算の来場者がついに1万人を突破しました。
 この市民公開講座は平成15年9月から始まり、今年で4年目を迎えます。2月18日は、一般市民の方125人に参加いただきましたが、そのうち48人目に受付をされた方が記念すべき1万人目となりました。この方には、記念品としてPET健診の無料モニター券が渡邉一夫理事長より贈呈されました。

来場1万人となった藤岡市の会場
 総合南東北病院で最近、相次いで難しい病気の手術が行われ、ともに成功した症例がありましたので、ご報告いたします。一つは東北で初めてのステントグラフトによる血管内治療術、もう一つは子どもの先天性心臓病の「左心低形成症候群」の手術で、この病気で救命したのは県内では初めてでした。2例とも福島民報の紙面で紹介されました。
☆東北で初、今後も積極的に
血管内治療術に成功
 総合南東北病院で2月8日(木)に東北では初めてとなる血管内治療術が行われ、成功しました。当院の緑川博文循環器・血管外科科長が厚生労働省が認可したステントグラフトを使って行った手術です。
 ステントグラフトは金属製の網状の人工血管の一種で、カテーテルに収納して患者さんの血管内に挿入して動脈瘤などの場所に装着するものです。ステントグラフトはバネの力と血圧によって内壁に張りついて血管を保護し、瘤の破裂を防ぎます。これを使うことで開腹手術を行うことなく治療が進められるため、患者さんの肉体的な負担が少なくて済みます。
 8日の手術では緑川科長が米国クック社製のステントグラフトを使用して県内在住の男性患者さんの腹部大動脈瘤を手術しました。このステントグラフトを使った血管内治療術は施設・医師が国の基準を満たす必要があるため、東北では当院を含め2施設しかなく、当院としては今後も積極的に取り組んでいくことにしています。

緑川文博先生
☆救命したのは県内で初
子供の心臓難病を手術
 総合南東北病院の小児循環器外科で子どもの心臓病で難病とされている「左心低形成症候群」の根治手術に成功、患者さんは3月7日に退院しました。県内では初めてで、全国的にも救命した例は少ないとされています。
 執刀したのは子どもの先天性心疾患に対する外科的治療の専門医である同科の小野隆志先生で、患者さんは郡山市在住の1歳9カ月の男児です。「左心低形成症候群」という病気は先天性で1万人に1人から3人の割合と言われています。心臓の左心室の入り口と出口が狭いか、閉じた状態で生まれるため血液循環能力が低く、新生児のうちに亡くなるケースが多い病気です。
 手術は3段階に分けられて行われます。第1期のノルウッド型手術、第2期の両方向性グレン手術で適正な肺循環を確保、第3期のフォルタン手術で通常の心臓と同じ働きが出来るようにします。今回の患者さんは小野先生が福島医大にいた一昨年に生後18日目で第1期手術を、生後6カ月で第2期手術を受けていました。そして小野先生が当院小児循環器外科に勤務したことから、今年2月に当院で第3期手術をおこなって成功したものです。
 小野先生は「子どもの心臓を何回も切開、縫合する難しい手術でしたが、成功したのはスタッフに支えられたお蔭です。今後は合併症などに注意しながら成長を見守りたい」と話しています。また同科の森島重弘先生は「福島県で手術、治療して救命した初めての症例となりました。これを県内医療の発展に繋げられればいい」と語っています。

小野隆志先生
☆聴講者の間で評判
メタボリックの詩
 内臓脂肪型肥満である人のうち、高血圧・高血糖・高脂血症のいずれか2つに該当する人は「メタボリック・シンドローム」と診断されます。2月15日(木)の医学健康講座ではリハビリ科の舟見敬成さんが「糖尿病と心疾患に対しての運動療法」について講演。その際、舟見さんが自作の詩を使って解説しましたが、それが聴講者の評判となり「あの詩をコピーして」という声がありました。そこで、紙上で紹介します。
〔メタボリックシンドロームとは〕
■メ…めんどうくさがりで、メカタを気にしない。
■タ…たくさん食べて、たまに動く。(過食、運動不足)
■ボ…ボリボリかいて、寝ている。(低活動の象徴)
■リッ…立派なお腹も抱えている。(腹部肥満)
■ク…食わずにはいられない、この気持ち。(何か悩み抱えていますか?)
〔脱メタボリック〕
□メ‥‥めったに履かない靴履いて
□タ…たのしみながら、今日も行く
□ボ…暴飲・暴食で蓄えた
□リッ…りっぱなお腹ともお別れさ
□ク…車に乗らずに、まずは歩いてみるか!!
☆「紙ふうせん」のメンバー
病院ボランティアで3人が500時間達成
 当院ボランティアグループ「紙ふうせん」のメンバー3人がボランティア時間通算500時間を達成し表彰されました。
 総合南東北病院では、患者さんに対する院内の案内や移動などのお手伝いをボランティアグループ「紙ふうせん」にお願いしています。今回グループメンバーの本田トミさん、根本美江子さ
ん、佐藤八千代さんがボランティア時間通算500時間を達成し、3月5日(月)の朝礼で渡邉一夫理事長から表彰状が贈られました。通算500時間を達成した方はこれで6人となります。渡邉理事長の「いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします」との御礼に対し、代表して本田さんが「これからも頑張っていきたいと思います」とあいさつしました。
 ボランティアグループは、患者さんのお手伝いの他に、歌や踊りのコンサートを開き患者さんや老人保健施設の入所者さんを励ます活動も行っています。3月14日(水)午前10時30分からも日和田にある総合南東北福祉センターにおいてコンサートを開催しました。

表彰を受けた3人の方たち
☆患者さんからの礼状
産婦人科のみなさんに感謝
 私は他の病院に通っていたのですが、産婦人科初の4Dの超音波に興味があり来院しました。当初、4Dだけのつもりだったのですが、ちょっとした質問にも丁寧に説明してくださる中村先生を信頼して通い始めました。手術も短時間で傷もきれいでした。また麻酔科の半沢先生にも感謝しています。
 今まで5回ほど手術を体験しましたが、痛みを感じなかったのは初めてでした。手術中も話しかけて下さったので気を紛らすことができました。婦長さんはじめ看護師さんたちも、みなさん一生懸命で気持ちが良かったです。みなさんありがとうございました。
(郡山市 T・Yさん 39歳)
人間性を感じた
 私は初めて入院を体験致しました。見舞いなどでは数え切れないほど病院には来ていますが、病院とはいやな所だとばかり思っていました。しかし当院の病人に対する対応、接遇を受けて改めて病院というものを思い直しました。これは入院してお世話になったからだけでなく、当院の先生はじめ職員の方々の人間性を心ゆくまで感じさせて頂いたからです。
 院長先生はじめ各先生方や看護師長さん、本当にご苦労さまです。安心してお世話になっています。ご自愛のほどを。
(本宮町 Y・Kさん 男性77歳)
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