冬の寒さに備えて…
脳卒中を防ぐには
予防は「高血圧の解消」 まず生活習慣の改善から
 寒さとともに、脳卒中の発症が心配される季節を迎えました。脳血管障害である脳卒中は、日本人の死因では第3位ですが、一命を取り留めても麻痺などにより寝たきりになってしまうこともあります。卒中は“突然にあたる”という意味で、不意に襲われる病気と思いがちですが、実は生活習慣病と言えるのです。防ぐには普段からの危険因子を取り除く努力が必要です。
◎脳卒中とは
脳の血管が詰まったり、破れたりしたため、その先の細胞に栄養や酸素が届かなくなり脳細胞が死んでしまう病気が脳卒中です。急に意識を失い倒れる、半身の麻痺が起こる、ろれつが回らなくなる、といった発作が起きます。脳梗塞・脳出血・くも膜下出血、の3つに大別されます。脳梗塞は太い血管にコレステロールの固まりが出来て詰まるもの(アテローム血栓性梗塞)、細い血管が動脈硬化で詰まるタイプ(ラクナ梗塞)、心臓に出来た血栓が血管を塞ぐ心原性脳塞栓症、などがあります。脳出血は血管が破れて脳内出血し神経細胞が死んでしまうものです。くも膜下出血はくも膜と軟膜の間の動脈瘤が破れ、溢れた血液で脳全体が圧迫される病気です。
 
◎その治療は
脳卒中と思われる症状で倒れた場合は、とにかく救命が第一です。衣服をゆるめ救急車を呼びます。発作から3時間以内に治療を開始することが大切だからです。病院では脳病変の診断が行われ、CT、MRIといった画像診断法が効果を発揮します。脳出血の一部とくも膜下出血は外科的な緊急手術が必要になります。
 
◎予防できる脳卒中
予防で最も大切なことは「高血圧を防ぐ」ことです。そのためには塩分の摂り過ぎに注意します。野菜や果物に多く含まれるカリウムには塩分を体外に出す働きがあり、海草や豆類に含まれるマグネシウム、乳製品に多いカルシウムやタンパク質も脳卒中予防に効果がある、とされます。入浴はぬるめの湯。冬場は浴室だけでなく脱衣所も暖め、トイレの温度差にも気を配りましょう。高脂血症、糖尿病、心臓病(特に心房細動)などの人は脳卒中になりやすいというデータがあります。生活習慣では大量飲酒・喫煙・運動不足・肥満などが危険因子です。普段から健康状態や生活習慣をこまめにチェックして脳卒中の危険から自分自身を守りましょう。
 
脳卒中で倒れたら−
次のことを確認、救急車をよぶ。
@意識はあるか?
A呼吸をしているか?
B嘔吐は?
 (吐き気があれば、体位を横向きにする)
救急隊の人が到着したら、発作時からの様子を伝える。
 
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