よく知って対処を
偏 頭 痛
新薬で治療変わる ストレスの解消も役立つ
 急に目がチカチカしたと思ったら、次は頭がズキズキ痛み出す。動くと痛みが一層ひどくなり、仕事もできない…、といった片頭痛に悩まされている方も多いことと思います。先頃、朝日新聞の「体とこころの通信簿」という欄でこの片頭痛について取り上げられていましたので、再録します。
 「たかが頭痛と思わないで下さい」と、これまで40年以上も頭痛の診療に携わってきた間中信也院長(神奈川県小田原市間中病院)は話します。「亡くなるような病気ではないが、痛み自体が大変な苦痛になって、生活の質を落とします」という間中先生は「痛まない時でも病院に来て、頭痛の専門医にかかってください」と勧めています。というのは、片頭痛は診断が難しいからなのです。

 片頭痛は、何らかのきっかけで脳の血管が拡張し周辺に炎症が起きて痛む、と考えられています。その刺激で脳が興奮状態に陥り、気持ちが悪くなったり嘔吐したりします。間中先生は「光やニオイが引き金になることも珍しくありません。でも片頭痛で問題なのは、他の頭痛と誤診される例が8割ぐらいあることなのです。視界がちらつく、などの前兆がある人は2割ほど。ズキズキ痛む人も半分程度、と言われています」と言います。

 こうした片頭痛の治療は2000年から大きく変わりました。それまでは鎮痛薬を処方してもらうか、市販薬を飲んで、ジッとしている位しか方法が無かったのです。しかし2000年にトリブタン系薬剤という新薬が国内でも承認され販売されました。これは拡張した血管を元に戻して炎症を抑える働きがより確実になり、よく効くといわれています。痛みはじめた時に飲むのが最も効果的、とされますが、痛みが強くなってからでも効く、といいます。

 片頭痛はストレスも深く係わっています。このストレスをうまくコントロールすることで、痛みを予防しようと、東邦大学医療センター大森病院心療内科の端詰勝敬医師は「バイオフィードバック療法」の効果を検証しています。精神状態の微妙な変化は血圧や心拍数などに表れますが、自分ではなかなか自覚出来ません。それらをモニターしながら腕や肩の緊張をほぐすリラックス法を行う方法です。数値の変化を確認しながら、ストレスを解きほぐすコツを身に付けよう、というのが狙いです。日常、緊張しがちな場面でも、力をうまく抜くことで頭痛の頻度がどれぐらい下がるのか、データを集めはじめています。端詰先生は「すでに海外では効果が証明されている治療法です。薬以外で片頭痛の治療に役立つことを考えています」と話しています。
★当院では二つの頭痛外来★
 総合南東北病院では、毎週月曜日水曜日午前中渡邉一夫理事長による「頭痛外来」が行われています。また、南東北医療クリニックでは水曜日午後に神経内科の石原哲也先生による「めまい・頭痛外来」が行われています。
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