南東北 2009年11月



心臓の病気

 “心臓の病気”と一口に言っても様々な種類があります。放置していても問題の無いケースもあれば、心筋梗塞のように生命にかかわる病気もあります。このような重大な病気を予防するには、早めに受診して自分の身体について正しい知識を得て、病気があれば適切な治療を進めるのが大切です。
心臓の病気と、その症状
 心臓の病気になると現れる代表的な症状は「胸の痛み」です。その他には「息切れ」や「放散痛」などがありますが、現れ方は人により様々です。@胸の痛み=胸に締めつけられるような痛みや圧迫感を感じます。比較的軽い痛みが10分ほど続くようなら狭心症が、激しい痛みが30分以上続くようなら心筋梗塞が疑われますA息切れ=ちょっと階段を上っただけでも息切れするようなら心臓が弱っている可能性があります。病気が進むと少し歩いただけでも息苦しくなりますB放散痛=胸以外の場所ー左肩、上腕、背中、のど、歯、みぞおち、などに重苦しさや圧迫感を感じます。やや広範囲に痛むのが特徴です。放散痛はそんなに多くの人には起こりませんCその他の症状=動悸(運動や精神的緊張などのキッカケが無いのに動悸する)、むくみ、疲れ易い、めまい、失神、などの症状が現れることがあります。
心臓病の検査
 心臓の病気を調べる方法は沢山ありますが、どんな検査が行われるかは病気の状態によって異なります。代表的な検査は@問診=いつ、どんな場合に、どのような症状が現れたか確認しますA心電図検査=安静時における心臓の拍動状態を調べますB胸部レントゲン検査=心臓の大きさや肺の状態を調べます。病気が疑われる場合は更に詳しい検査が行われます。@心エコー検査=超音波で画像を映し出して、異常が生じている場所を調べますA運動負荷試験=運動時の心臓の動きを測定し心電図に記録しますBホルター心電計=携帯用の心電計を使って日常生活の中で24時間連続して心電図を記録します。さらに詳しく調べるにはC心筋シンチグラフィー=医薬品を使って心筋(心臓の筋肉)の状態を撮影し血流を調べますDカテーテル検査=冠動脈の内側を調べる検査で、カテーテルを腕や脚の付け根から挿入して心臓まで送り込み、造影剤を入れて撮影しますEMDCT=造影剤を使って心臓を輪切りにするように撮影して心臓の血管の状態を詳しく調べます。
では、治療は?
 病気の種類や進行状態によって治療法が決められます。多くの場合、初期では薬物療法だけですが、進行すると手術も検討されます。@薬物療法では、狭心症の発作を鎮めるためにはニトログリセリンが多く使われます。服用後2〜3分で症状が治まります。心筋梗塞では血栓を溶かす薬を用いますAカテーテル治療=検査と同様にカテーテルで冠動脈の狭くなった部位を広げる方法ですBバイパス手術=他の部位の血管を使って冠動脈の新しい血液の通り道を造る方法で、進行した狭心症の治療に有効です(図1)C心臓ペースメーカー植え込み型除細動器(ICD)=ある種の不整脈の治療では手術で心臓に機器を植え込み、拍動に異常が出ると自動的に電気刺激を出して正常な拍動に戻すことが出来ます。
危険因子を改善
 心臓病の原因のほとんどは動脈硬化です。これの予防が心臓病予防に繋がります。その危険因子は@肥満A高血圧B高脂血症C高血糖D喫煙E運動不足F疲労GストレスH飲酒、です。出来る限り改善したいものです。

代表的な症状は胸痛 〜早めの受診で適切な治療を〜

トップページへ戻る