南東北 2010年01月



新年のごあいさつ総合南東北病院 理事長・総長 渡邉一夫

 平成22年の新春を謹んでお慶び申し上げます。皆様の温かいご支援により一般財団法人脳神経疾患研究所に属する総合南東北病院はじめ附属する8つの診療所や南東北福島病院、南東北医療・眼科クリニック、5つの介護老人保健施設など各福祉施設、そして治療開始して足掛け3年目となる南東北がん陽子線治療センター、さらには社会福祉法人総合南東北福祉センター(日和田)、南東北春日リハビリ病院(須賀川)、東京クリニック(東京・大手町)などの施設は平穏に新年を迎えることが出来ました。心より御礼申し上げます。
 昨年は激動の年でした。リーマンブラザーズ破綻に始まる世界金融恐慌が吹き荒れる中、アメリカ初の黒人大統領、民主党のオバマ大統領が出現、一方では世界最大の自動車産業GMが倒産。日本も日本航空が倒産の危機に晒されています。その日本では昨年8月30日の総選挙で民主党が308議席を獲得する圧勝を遂げ、54年間の政権党だった自民党は119議席と惨敗し、その存在も危ぶまれています。南東北グループからリハビリテーション科長の山口和之氏が比例で当選し、持ち前の押し≠ニねばり≠ナ医療界を代表して大活躍中です。増子輝彦参議院議員は県内で唯一、経済産業省副大臣で実質的な実力者として日本経済発展のために大奮闘中です。

年頭の所信をのべる渡邉理事長

 今年はまた、新型インフルエンザが大流行し一向に衰えを見せていません。当院でも多くの患者さんが発熱外来に来ておりますが、幸いにして大事に至った患者さんも職員もおりません。1日に500人の子供さんが予防接種で来院された日もありましたが、スタッフの手際良い対応により大した混乱もなく接種を終えることが出来ました。
 国の新年度予算案では鳩山政権は「医療崩壊を防ぐため、医療費をアップする」と宣言したものの、財政難で資金が乏しく0・9%アップにとどまりました。これでは医療崩壊は止められないでしょう。こうした情勢の中で新年に当たり、私は3つのスローガンを掲げました。@沢山の患者さん・利用者さんに来てもらえる病院・福祉施設にすることA職員が働き易い環境を作ることB取引先や銀行などに信頼される病院・施設にすること、です。
がん治療さらに進む
 新事業としては、増改築を進めてきた救急センターが完成、かなりアメリカ的な施設になり、「救急医療は絶対に断らない」「即座に心臓、胸部、腹部でも手術に対応できる高機能体制のERとなる」を実現してまいります。また無菌調剤室の完成で抗がん剤の調合なども安全に行えるようになりました。さらに陽子線治療に続くがん治療として、保険が適応されるリニアック(X線)による照射治療の最新機器「IMRT」を導入する建屋も完成し、目下、機器を設置中です。今春から照射開始となります。これらが開始されると、陽子線・リニアック(IMRT)・化学療法・外科的療法を合わせ、さらに温熱・免疫療法と組み合わせることで、がん患者さんの予後がグンと伸びるものと期待しております。
 平成22年度の南東北グループは21世紀医療のキーワードとして@救急医療A高度先進医療B生活習慣病の克服、特にがん・脳卒中・心臓血管病の診断と治療、予防C療養・在宅医療・リハビリD予防医学E病診連携、病病連携Fグループホームまたは医療福祉マンションなど生活密着型環境との連携G小児医療・周産期医療、の8項目を掲げて地域の医療水準の向上に全力を投入してまいります。本年も旧に倍して、ご支援、ご活用をお願い申し上げます。
平成22年元旦

救急センター体制が充実

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