子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がん予防ワクチン

 子宮頸がんは日本では毎年、約8000人の女性が新たに罹患し、そのうち約2500人が亡くなっています。特に最近は20歳代から30歳代にかけての方に目立った増加傾向がみられ、対策が急がれていました。それを予防するワクチンの接種がいま話題となっています。
 2008年のノーベル賞で医学・生理学賞を受賞したハラルト・ツアハウゼン博士は1983年に子宮頸がんの主な原因が「ヒトパピローマウイルス(HPV)」であることを発見しました。そして、この発見は後に子宮頸がんの予防ワクチンの開発に繋がりました。現在、このワクチンは世界80ヵ国以上で承認を得て使用され、非常に高い予防効果が実証されています。日本でも2009年に厚生労働省によって承認され、使用され始めています。これは子宮頸がん対策として特筆すべきことになります。
 子宮頸がんは比較的がんの進行が遅いという特徴を持っています。そこで定期検診が予防に大きく貢献してきましたが、さらに特定のHPVウイルスに対するワクチン接種と合わせた対策が取れるようになりました。これで100%に近い確率で予防可能とされていますが、残念なのは日本での定期検診の受診率がまだ20%台に止まっていることです。子宮頸がんの無い社会に向けて大きく踏み出すには、女性自身の第一歩が必要なのです。
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