熱中症にならないために

高齢者は自宅でも発症/夏は小まめに水分補給を

 本格的な夏が目前となりました。地球温暖化のせいもあって年々気温は上昇し、今年も熱中症の多発が心配されています。特に子どもと高齢者は要注意です。より効果的な水分補給など予防策を心掛けたいものです。そこで毎日新聞の記事から対策をまとめてみました。
熱中症の症状
 3段階に分けられます。T度は「めまい・失神・筋肉痛・こむら返り」、U度は「頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感」、V度になると「意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温」が見られ死に至ることもあります。以前は労働現場が多かったのですが、最近は普段の生活やスポーツ時が目立っています。
増える死者
 厚生労働省の統計によると、熱中症による死者は1994年までは年平均で86件でしたが、それ以降は282件と3倍に増えています。年齢別では▽15〜19歳がスポーツ時に▽30〜59歳は労働時に▽65歳以上は家など居住施設で大半を占め、全体の6割が65歳以上の高齢者です。
なぜ高齢者に多いのか
 人の身体に含まれる水分の割合は新生児が体重の80%、幼児が65%、成人男性が60%、高齢者は50〜55%と、年とともに少なくなっています。加えて加齢とともに代謝の力が落ちるため、発汗によって体温を調整する機能が鈍ってノドの渇きも覚えにくくなります。しかも高齢者の熱中症の半数以上はなんと自宅など屋内で起きているのです。スポーツ医学の医師は「高齢者は寒暖に対する感度が鈍くなっているため、気温が30度を超えてもあまり暑さを感じない傾向がある。エアコンは28度に設定し上手に使った方がいい」と強調しています。
では、予防策は?
 1日に1.5〜2Lの水分を摂取することが大切です。エアコンの無い場所では水分を30分ごとに小まめに摂ること。ノドが渇いていなくても水を一口飲むと、これで30tは摂取出来ます。高齢者は散歩などで戸外に出るのは早朝か夜に涼しくなってから。熱帯夜では出来るだけ外出を避けたい。子どもは体内の水分量の僅かな変化でも影響を受けやすく、特に乳幼児は自分からノドの渇きを訴えられないので、知らない間に脱水症状になることが多いのです。戸外で遊ぶ時も忘れずに水筒などを持参し、小まめに水分を飲ませることが大事です。
特に気を付けたいのは
 8月上旬など暑さにまだ慣れていない時期に熱中症が起きやすいことを覚えておくこと。また毎年、車内に残した子どもが熱中症で死亡するケースが出ていますが、気温28度で10分経つと車内の前部座席では40度を超します。窓を開けていても温度変化は変わらないのです。
 一方、「家庭栄養研究会(東京・三鷹市)」の松永真理子さんは「運動後や風呂上がりにビールを飲む人が多いですが、猛暑の夏は水分補給というより、逆効果になります」と言います。アルコールやお茶、コーヒーなどカフェインを含むものは利尿作用があるためで、出来れば真水か麦茶がいいそうです。汗を沢山かいた時は水だけでなくスポーツドリンクか、薄い食塩水を飲むことが大切です。

運動の後のビールは逆効果

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