広報誌 南東北

第221号

スローフード

 文字通り「ファーストフード(fast food)」の反対語、という意味合いから作られた言葉です。始まりはイタリアのブラという小さな村で、万事がスピード化の進む現代社会において、「食事くらいはゆっくり食べようじゃないか」との提唱から1989年にNPO法人の「スローフード協会」が設立されました。その運動では@消えていく恐れのある伝統的な食材や料理、質の良い食品や酒を守るA質の良い素材を提供する小生産者を守るB子供たちを含め、消費者に味の教育を進める、の3つの指針を打ち出しました。
 近年の食品のファーストフード化が急速に進み、その大量生産によるスピードと手軽さ、安価といった特長で、あっという間に食生活に浸透しました。一方で地域の特性を活かした伝統料理や、親から子へ受け継がれてきた手料理、ひいては家族の団欒の場である食卓が生活の中から閉め出されているのではないか、といった懸念も出されています。この辺から立ち上げられたのがスローフード運動なのです。日本では「日本スローフード協会」を中心に活動が拡がっています。この運動には「食」を足掛かりにして生活習慣を見直そうという、大きな意味合いが含まれているのです。
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