広報誌 南東北

第221号

薬剤による尿・便の色調変化

薬の服用により、尿や便の色調が変化することがあります。
@尿の色調変化の原因
薬剤やその代謝物による着色・薬剤がアルカリ化した尿と反応して着色
A便の色調変化の原因
薬剤やその代謝物による着色・腸管内での反応による着色
B代表的薬剤について
〈尿の色調に影響を及ぼす薬剤〉▽黄色くする薬剤…ビタミンB2製剤・止血剤(アドナ)▽赤くする薬剤…リファンピシン(汗・涙・唾液も着色) 〈便の色調に影響を及ぼす薬剤〉▽黒くする薬剤…鉄剤(フェロミアなど)▽白くする製剤=制酸剤
 ただし、服薬量や体の状態によっては尿や便の色調が変化する薬剤でも着色しない場合があります。着色の大部分は体の異常を示しているのではなく、薬の成分や代謝物が尿や便に排泄された結果であり心配はありません。しかし、まれに筋肉の成分であるミオグロビンが尿中に流出して、尿が赤褐色に着色する事があります(横紋筋融解症)。このような場合は体の内部状態の変化(病的変化)を示しています。尿や便の色調に変化を伴う薬剤を使用していないのに変化が現れた時は体調の変化等に注意し、早めの受診が必要です。
 (薬剤科 佐久間眸)

大半は薬のせいで心配ない

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