広報誌 南東北

第223号

使える筋肉・使えない筋肉

 さて今月は、筋肉の質についてのお話です。
 よく筋トレやボディービルでつけた筋肉は使えない、つまり機能的ではないという話を耳にしますが本当なのでしょうか?近代のスポーツ場面で筋トレの重要性は広く認識されてきたはずですが、それでも前述のような話を数多く聞きます。それは現実的に筋トレでつけた「使えない筋肉」が存在するからです。
 ではどうして「使えない筋肉」ができてしまうのでしょう。それは筋出力の仕方に原因があります。一般に筋トレでは反動を使う動作は禁忌とされ、静かな筋力の立ち上がりがよしとされます。ところがスポーツの中での筋力の発揮には必ず反動動作が含まれます。これをSSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)と呼びます。
 たとえばその場でジャンプするとき、立位で行うのとイスに座った状態から行うのでは明らかに前者の方が高く跳べます。これは脚部の反動動作を使えるか否かによります。筋トレは正しく行うほど反動動作を使わなくなります。それで「使えない筋肉」になってしまうのです。
 それでも筋力は、強い方がスポーツには向いています。筋出力の仕方をそのスポーツに合わせるトレーニングもあるので、筋トレで基本的な筋力をつけ、さらに応用力をつけるのがもっとも科学的なトレーニングとされます。
 (チーフトレーナー 仲田貴之 電話:024-991-1045)

筋出力の仕方に原因

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