広報誌 南東北

第227号

「妊娠と薬」について

胎児に薬が入ることも

 妊娠中に薬を飲むと、薬の種類・量・妊娠期間などで違いがありますが、胎児に影響を及ぼすことがあります。母親が飲んだ薬が胎盤を通して胎児の血液に入ることがあるためです。いったん胎児に薬が入ると、胎児の身体は未熟なため体内に入った薬を十分に排泄出来ません。また胎児が尿として羊水の中に出した薬は羊水の中から再び胎児の身体に戻ってくることが分かっています。
妊娠期間と薬の影響
 @妊娠3週まで(無影響期)=妊娠に気付かずに薬を飲んでしまう場合が多い時期ですが、薬の影響はあまり受けない、と言われていますA妊娠4週から6週まで(絶対過敏期)=重要な器官(神経・心臓・消化器官・手足など)がつくられる最も大切な時期。奇形を起こす可能性がある時期ですB妊娠7週から16週まで(相対過敏期)=胎児によって重要な器官がこの時期にずれこむこともあるので、薬の服用は慎重にC妊娠17期以降(潜在過敏期)=この時期、薬による奇形の心配はほとんど無くなりますが、内服する薬によっては胎児の動きや発育に影響を与える場合があるので注意が必要です。
 妊娠中、どうしても薬が必要になることがありますが、自分の判断で市販薬などを飲まず、必ず医師か薬剤師に相談するようにしましょう。また持病で薬を服用している場合は自己判断せず主治医と相談してください。妊娠前から薬の服用について主治医とよく話し合っておくとよいでしょう。
 (薬剤科 佐久間眸)
トップページへ戻る