広報誌 南東北

第228号

若いうちから対策を

骨粗鬆症

 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨(骨質)に含まれるカルシウムの量(骨量)が極端に減少して起こる疾患です。骨量は20歳代から30歳代をピークにして、次第に減っていきます。ですから、ある程度の骨量減少は生理的なものと言えます。しかし、異常に骨量が減少すると骨はモロくなり骨折もしやすくなります。何故、異常減少が起こるのでしょうか。そこには骨代謝と骨の役割が深く関わっているのです。
骨代謝とは
骨も他の器官と同じように常に新しい組織に生まれ変わっています。これを骨代謝といいます。骨代謝は古い骨を溶かして壊す破骨細胞と、カルシウムを使って新しい骨を作る骨芽細胞によって行われます。この骨代謝のバランスが何らかの理由で崩れて、骨を壊す働きが骨を作る働きを上回って進められると、骨量は減って骨がスカスカになってしまいます。
骨の役割
私たちの身体は無数の細胞で出来ており、それらの細胞にはカルシウムが欠かせません。このため、血液中には一定のカルシウムが含まれていて、全身にカルシウムを届けているのです。こうしたカルシウムの量が低下すると骨からカルシウムが血液中に溶け出して補い、一定に保たれるのです。つまり、骨には「カルシウムを貯蔵し、必要に応じて体内に提供する」という役割があるのです。この役割で骨のカルシウムが溶け出せば当然、骨量は減ってしまいます。体内のカルシウム減少が続けば骨は弱くなっていきます。
女性に多い
骨粗鬆症は女性に多く、患者さんの約8割を占めています。これは女性の方が骨量減少の要因が多いためです。代表的な要因は「閉経後のホルモン分泌の減少」です。女性ホルモンのエストロゲンには骨代謝のバランスを保つという働きがあります。このエストロゲンの分泌が閉経すると急激に減少してしまい、骨代謝のバランスを崩し、骨がモロくなってしまうのです。妊娠・出産もカルシウムを大量に消費し骨量減少に拍車をかけます。
若いうちから対策を
骨量が急激に減るのは女性が50歳代、男性が70歳代といわれます。でも、この年代から生活を改善するなど対策をとっても、骨量はなかなか増えません。加齢とともに減少する傾向があるからです。このことから、骨粗鬆症を防ぐには「若いうちに骨量を蓄えておき、歳をとってからの減少に備えておく」ことが最大の予防法となるのです。
具体的な対策
@当然ながらカルシウムを摂取すること。1日の理想摂取量は600r。閉経後や妊娠中、出産後の女性は800rをAビタミンDやKはカルシウム吸収を助け、骨芽細胞の働きを促進するので骨を丈夫にする栄養素として摂取をBリンはカルシウムを体内から排出し、アルコールも飲み過ぎると吸収率が下がるので要注意Cタバコはカルシウム吸収を妨げるD運動不足は解消するE無理なダイエットはしないF日光に当たろうG定期検診を受ける

患者の8割は女性 骨代謝のバランス崩れる

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