広報誌 南東北

第230号

新型うつ病

 医学的に病名としては、まだ定義されていない「新型うつ病」。20代〜30代を中心に、心療内科や精神科の病医院を受診する方が増えてきました。この新型うつ病にはいつくかの点で、典型的なうつ病と逆の症状や傾向が見られます。自分に対する他者からの評価や感情に対して過敏で傷つきやすいこと。過眠や過食などです。
 中でも注目されるのは、新型うつ病患者のうつ症状は、自身の気持ちにともなう症状の変動があることです。嬉しいことや楽しいことがあったとき、あるいは自分の好きなことをしている時などは、うつ症状が緩和されます(典型的なうつ病患者の多くは、本人にとって好ましいことでも症状が緩和されない傾向がある)。
 さらに、新型うつ病の方の場合、他者に対する攻撃性が強く現れることがあります。これは典型的なうつ病患者の多くが自身を責める傾向にあるのとは逆の傾向です。残念なことに、このような病気の特徴から、新型うつ病の患者は周囲の誤解を受けやすいということがいえるでしょう。
 新型うつ病の治療は薬物療法の他に、医師のカウンセリングが重要な役割を果たします。その際、典型的なうつ病とは違った対応が新型うつ病の患者本人に求められることもあります。こうした点を理解し、医師の指導に従うことが新型うつ病を根治するためには必要です。
トップページへ戻る