広報誌 南東北

第231号

「用法」について

最も効果出るタイミングで

 今回はくすりを飲む際に欠かせない「用法」についてです。用法とは「食前・食間・食後」などのくすりを飲むタイミングのことで、用法は大きく次のように分かれます。
食前:食事の30分前
食前に飲むくすりとして、吐き気止め、漢方薬などがあります。食前の胃の中には何も入っていない状態なので、胃をあらしにくいくすりを飲む場合にあてはまります。
食直前:食事の直前
食直前に飲むくすりとして、一部の糖尿病薬があてはまります。食後の過血糖を抑える薬で、食後では期待する効果があらわれないためです。
食直後:食事のすぐあと
直後に飲むくすりとして、透析患者さんが飲むリン結合剤などがあります。これは食事に含まれるリンを吸着するためなのです。
食後:食事の30分後
大体のくすりが食後に飲むと思いますが、これは食物が胃の中に残っていることで、胃の負担を軽減することや、飲み忘れを防ぐ効果もあります。また脂溶性の薬(ビタミン、D、E、K)も吸収を助ける胆汁の分泌が食後におこるため、食後に飲みます。
食間:食事の2時間後
これは一部の抗生剤や、相互作用の防止のため他の薬の影響を避けることなどでこの時間に飲みます。
寝る前:寝る30分前
寝る前に飲むくすりは下剤や睡眠薬、胃薬など、翌朝の便通の効果を期待したり寝つきをよくしたり胃酸の分泌が夜間にも活発にするためです。

一日に決められた量を飲まなければ効果は得られませんので、いつもの時間にきちんとくすりを飲んでください。どうしても指示された時間に飲めない、という場合は一度医師に相談を。あくまでも、用法とはその薬にとって効果が最も表れやすくなるのむタイミングです。多少時間がずれてもかまいません。あまり神経質にならずに、くすりを飲みましょう。
 (薬剤科 菅原麻貴)
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