広報誌 南東北

第233号

夏の運動

「低ナトリウム血症」に注意を

暑い夏がやってきました。そこで今回は気温が高い中での運動についてお話ししましょう。
高温下の運動では熱中症が危惧されます。熱中症は発汗機能や循環系に異常をきたして発症します。体温上昇、発汗停止、虚脱、けいれん、精神錯乱、昏睡などをおこし、重症になると生命の危険を伴うこともあります。そこで皆さん運動中の水分摂取を注意されるのですが、これが意外な落とし穴をはらんでいます。
運動中、急激に多量の水を摂取したり、長時間にわたって多量の汗をかいてミネラルを喪失すると、体内のナトリウム濃度が薄くなります。これを「低ナトリウム血症」といいます。ナトリウムは体内の水分と塩分のバランスを調整しているのですが、この濃度が低くなると軽度であれば無症状ですが、中度になると全身倦怠、筋肉のけいれん、さらに重度になると呼吸困難、意識障害をおこすこともあります。
運動中の水分摂取はもちろん大切ですが、低ナトリウム血症にならないためには真水ではなく、0.1〜0.2%程度の食塩水を利用するといいでしょう。また市販のスポーツドリンクにもミネラルを含有しているものがありますので、長時間の運動や多量の発汗が予想される場合は手軽に利用できます。ただし糖分の濃度の低いものにしましょう。
 (エルフィット チーフトレーナー 仲田貴之 電話:024-991-1045)
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