広報誌 南東北

第234号

逆流性食道炎ってどういう病気なの?

胃酸が食道に逆流 ― 胸やけ・ゲップ・腹の張り、など

逆流性食道炎は欧米に患者さんが多く、日本では比較的少ない病気だったのですが、近年の高齢化や食生活の欧米化によって、わが国でもかなり患者さんが増えてきた病気のひとつです。「胸のあたりがムカムカする」「ノドに苦い水が上る」「ゲップがよく出る」などの不快感があったら、この病気の可能性がありますから医療機関での診断をお勧めします。
食道の働き
食道とは文字通り、食べたものの通り道で、ノドから胃の入り口(噴門=ふんもん)までの間を指します。胃の中では食物の消化のために胃酸が分泌されていますが、健康な状態ではその境目を下部食道括約筋などが締め付けており、食道に胃酸が逆流することはありません。食物が通る時はこの筋肉がゆるんで胃の中へと落ちていきます。
逆流性食道炎とは
なんらかの原因によって胃酸の食道への逆流が繰り返して起こり、食道に症状が現れる病気です。胃酸が逆流する原因としては、境界部の締め付けのゆるみ、胃の中の圧力の上昇、などが挙げられます。胃酸の量の増加、逆流してしまった胃酸を胃に戻す働きの低下なども関係しており、胃酸が食道に繰り返し逆流することで「胸やけ」を中心とする様々な症状が現れます。人によってその感じ方は様々で、ノドの違和感やゲップ、お腹の張りなどが気になることもあります。また食習慣やストレス、体型や姿勢の変化などが関係しています。食べ過ぎや欧米風の食事などの食習慣、肥満や妊娠による胃の押し上げ、背中が曲がった前かがみの姿勢などによっても引き起こされることが分かっています。
その検査と治療は?
逆流性食道炎は最近、急激に増えています。この10年間で患者さんの数が約2倍になっています。また高齢者の方に多い病気であることも分かってきました。検査するには、まず症状をキチンと把握するための問診が行われます。「胸やけ」を中心に、人によって様々な症状が現れるため、この問診は重要なので正確に伝えることです。ついで、口や鼻から管を入れて食道の中を見る内視鏡検査で食道粘膜の状態、炎症の程度を調べます。治療は胃酸を抑える薬の服用になることが多いようです。生活の改善で症状は軽減するので、毎日の生活での配慮も必要です。

最近、急激に増えて2倍に

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