広報誌 南東北

第234号

寝具をチェック

“柔らかい”だけではダメ

「量より質」という言葉はいろんな場面で使われますが、私たちが毎日とっている睡眠についても言えることではないでしょうか。むしろ、1日の3分の1を費やす眠りにとってこそ、ピッタリの言葉とも言えます。質の良い眠りを得るためには、周囲の環境が眠るのに適した状態(適度な温度、騒音が無い、刺激となる光がない)であること、眠りを妨げる心理的要因(ストレスの蓄積)が少ないことが必要です。そして、もう1つは寝具が快眠を左右する重要なポイントとなっているのです。眠りに誘ってくれるような寝具、というと柔らかくてふかふかした布団を想像する方が多いと思います。これは掛け布団の条件ではありますが、敷き布団となると話は少し違ってきます。人の背骨は直立状態のとき、緩やかなS字カーブを描いています。そして、寝ているときも背骨が出来るだけ、これに近い状態であることが望ましく、そのために敷き布団には体を支えるための、ある程度の硬さが必要になります。
柔らかいだけの敷き布団はかえって体に負担がかかり、疲労が増したり、腰を痛めたりすることにもなりかねないのです。また、枕も同様に背骨のカーブを歪ませたりしないような、極端に高過ぎたり低過ぎたりしないものを選ぶ必要があります。
寝具内の温度や湿度も眠りの質を左右します。日本睡眠科学研究所では「スリープ・コンフォート・ゾーン(安眠領域)」を「温度は33度プラスマイナス1度、湿度は50%プラスマイナス5%(RH)」としています。季節によって気温や湿度が異なりますので、暑さ・寒さに合わせて掛け布団やシーツを交換し、安眠できる状態に寝具環境を調整しましょう。
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