広報誌 南東北

第238号

廃用症候群

 

病気になれば安静にして寝ていることが自然な行動ですが、このことを長く続けて活動性が低下することにより身体に生じる二次的な合併症を廃用症候群といいます。廃用は使わないという意味です。
特に高齢者では知らないうちに進行して、気が付いた時には起き上がれない、歩くことが出来ないなどの例も少なくありません。2週間の安静で筋肉の2割が委縮すると言われます。特に大腿骨折や頸部骨折でギプスを巻いたり、脳卒中など自分で十分運動が出来ない患者さんは良いほうの手足の筋肉までも衰えるばかりか起立性低血圧や静脈血栓症、肺炎、床ずれなどを生じやすくなります。
このような症候群を予防するには、何といってもベッドから離れることです。出来るだけ寝た状態を少なく、座位の時間を増やしてベッド上で手や足を動かす運動をお勧めします。座ることで筋肉も強くなり、車いすで移動も出来ますし、トイレに行くことも出来ます。食事をとる時も前かがみになるので誤嚥防止になります。寝ている時より表情も生き生きして顔の筋肉の働きが脳を刺激して免疫力を活性化します。座ることが予防の第一歩のようです。

 

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