広報誌 南東北

第239号

インフルエンザ治療薬

タミフルは48時間以内

今回はインフルエンザ治療薬についてお話します。インフルエンザはA型、B型、C型の3種類ありますが、毎年流行するのはA型とB型で中でも大流行を引き起こすのはA型です。内服薬、吸入薬、点滴注射薬があります。
▽タミフル
一般名はオセルタミビルリン酸塩で商品名がタミフル。A型・B型に作用し、発症後48時間以内に投与することでインフルエンザにかかっている期間を短くします。タミフルはインフルエンザウイルスが細胞外に出ていくことを阻止する薬です。剤型はカプセル剤とドライシロップ剤があり、通常、成人や体重が37.5kg以上の小児には1日2回、1回1カプセルを5日間使用します。10歳以上の未成年者の患者さんは原則として必要と判断された場合を除き服用できません。
▽リレンザ
一般名はザナミビル水和物で商品名がリレンザ。A型・B型に作用し、周辺への感染拡大を阻止します。通常、成人で1回10mg(5mgブリスター2ブリスター)を1日2回専用吸入器(ディスクヘラー)で5日間吸入します。発作の引き金になる可能性があるため呼吸器疾患のある方には勧められません。
▽イナビル
一般名はラニナミビルオクタン酸エステル水和物で商品名がイナビル吸入粉末剤20mg。A型・B型に作用し、ウイルスの増殖部位である気道や肺に貯留、ウイルスの増殖を抑制します。通常、成人及び10歳以上の小児には40mg、10歳未満の小児には20mgを単回吸入投与します。1度の吸入で完結するため服薬忘れや中止を心配する必要がありません。リレンザ同様、呼吸器疾患のある方にはお勧めできません。
▽ラピアクタ
一般名はペラミビル水和物で商品名がラピアクタ。ウイルス増殖を抑制することでA型・B型に作用し通常、成人に300mgを15分以上かけて単回点滴静注します。点滴なので医療機関での使用です。
(薬剤科 菅原麻貴)

― A・B型に作用 ―

トップページへ戻る