広報誌 南東北

第240号

クリニカルパス

 

クリニカルパスとは病気ごとに治療や検査、看護ケアなどの内容、タイムスケジュールを一覧表にしたものです。
1950年代の米国で発展したオペレーションリサーチの中の工程管理技法から派生した臨界経路法に基づき、1980年代はじめボストンのニューイングランド医療センターのザンダー氏によって医療分野に使用されるようになりました。同義的にクリティカルパスと呼ばれますが、クリニカルが「臨床の、病室用の」と云う意味があるためクリニカルパスが一般的です。
わが国には1995年頃に導入され始めましたが、このパスには患者さん用と医療スタッフ用があります。ともに医師や看護師、各専門分野の医療スタッフが検討して作成します。患者さん用は主に入院中に受ける検査、手術、処置、術後のリハビリ、食事、入浴などの内容と予定がイラスト付きで示されます。医療用は科学的根拠に基づいた専門的、かつ詳細な内容が書き込まれます。
クリニカルパスの狙いは医療の質と安全性の向上。従来は医師の知識や経験に基づき診断されましたが、パスを使うことで検査や処置、治療、看護ケアが一定の質を保つことが出来ます。また医師や看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、検査技師とチームで情報を共有できます。パスには多くの情報が盛り込まれ、医療スタッフは患者さんや家族に説明しやすくなるほか不必要な検査、投薬なども減らせコスト削減につながります。また指示漏れやチェック漏れの防止にも役立ちます。

 

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