広報誌 南東北

第240号

外来の新案内システム稼働

携帯への「まもなくコール」も


実際の表示画面
総合南東北病院は、外来患者さんの診察の進行状況を画像で知らせる外来患者案内システムを2月6日から本院と南東北医療クリニック、南東北眼科クリニック、南東北がん陽子線治療センターの4施設でスタートさせました。また専用機に携帯電話番号を登録すると診察順番が近づいたことを知らせる「まもなくコール」も近く始まります。
外来の待ち時間については患者数が多いことから「自分の順番がいつ回って来るのか知りたい」「呼ばれるまでずっと待合室で待っているのは苦痛だ」などの意見が寄せられ、改善を検討していました。
導入したシステムは4施設の外来待合室に42インチの大型画面を設置し、来院受け付け時に発行した受付票の番号を「診察中」「間もなくお呼びいたします」「次の方は受付まで」に分けて画面に表示、診察が予約時間通り順調か、何分遅れているか診察の進行状況を知らせます。またお呼び出し状況確認端末に受付票のバーコードをかざすと進行状況が示されます。「まもなくコール」は、院内に設けた専用機に携帯電話の呼び出し番号を登録しておけば診察順番が近づいた段階で自動的に患者さんの電話に連絡します。
案内システムの導入によって待ち時間を推定できるほか長時間、病院内で診察を待つことによるさまざまな負担の軽減につながるとみられます。ただ外来受診者が増えているため待ち時間そのものを大幅に短縮するのは困難ですが、改善に向けて取り組みを続けて参りますので、ご理解とご協力をお願いします。

陽子線治療Cが世界%o録

PTCOGが正式認知
南東北がん陽子線治療センター(不破信和センター長)がこのほどPTCOG=粒子線治療国際会議=に入会が正式に認められました。
PTCOGはParticle Therpy Cooperative Groupの略。粒子線治療を推進する物理工学から医学生物学に至る広い分野の研究者が学術的に情報交換を目指し設立された国際会議で30年以上の歴史を持っています。当初は参加者が50人前後でしたが、世界的な粒子線治療の進展に伴い研究者や事業者などのメンバーが増え、現在は米、英、仏、カナダ、ドイツ、スウェーデン、中国など20ヵ国、600人を超えています。会議でのプログラムも生物学、物理学、臨床医学など粒子線治療関連の全分野をカバーしています。
現在、世界で稼働している粒子線治療施設は34ヵ所、建設中・計画段階が63ヵ所。このうち日本にある同施設は9ヵ所(粒子線3ヵ所、陽子線6ヵ所)で、4ヵ所が建設・計画中ですが、平成20年10月に国内で6番目、民間で初めて陽子線治療を導入し治療を開始した南東北がん陽子線治療センターは、昨年末の治療患者数が1378人に上っています。進行食道がんや治療が難しい進行頭頸部がんなどに対しては、化学療法と陽子線治療を組み合わせるなど積極治療に取り組み、先行施設をしのぐ成果を見せており、こうした実績が評価されたものと見られます。入会によって同センターは世界の粒子線施設≠ニして認知されたことになります。

がん医療の今第2集出版

当院の不破センター長も執筆
がん患者でつくる「市民のためのがん治療の会」(會田昭一郎代表)編纂の「がん医療の今第2集」=写真=がこのほど同会から出版されました。
創立5周年を記念して平成21年9月からホームページで始めたがん治療専門医の寄稿による「がん医療の今」シリーズを本にまとめました。
第2集では21人が執筆したがん医療の現状と課題、放射線治療と先進医療など最新のがん治療、安心して治療を受けるための環境整備、かしこい患者になるために、がん予防と政策提言などを四六判278ページに収録しています。
この中には南東北がん陽子線治療センターの不破信和センター長が「進行食道がん、進行頭頸部がんなどに期待される化学療法と陽子線による化学放射線療法」と題して執筆。4年前に開院した同センターでは、昨年末で1378件の陽子線治療を行っていますが、他の施設では難しい進行頭頸部がんに対し化学療法と陽子線治療を組み合わせて効果をあげている症例などを解説、紹介しています。
また第2集の「がん予防と政策提言」の中で、東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康被害など問題点、対応策が指摘されています。本の定価は1,300円。申し込みは同会(FAX024-572-2564)へ。
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