広報誌 南東北

第244号

冷え症と薬

活力を増強、体を温める漢方薬

今回は冷え症と薬についてお話します。一般的に冷え症というと手足の末端が冷たい状態にあることをいいます。主な原因は抹消の血管の血液の流れが悪いことです。
西洋医学的には体に起る自覚症状と考えられ、検査をしていても何ら病気の原因の無いものを「不定愁訴(ふていしゅうそ)」といいますが、冷え症もその1つとして考えられます。また他の原因としてホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れ、運動不足などが挙げられます。
冷え症にはどのような薬があるのでしょうか。西洋医学ではビタミン剤が主に投与されます。
▼例:ユベラニコチネート(ビタミンE製剤)→血行の流れを良くします。
東洋医学の漢方では、冷え症は新陳代謝の低下、血行不良、胃腸の調子が悪いことなどが原因として考えられます。漢方ではこれらを取り除くこと、または温める作用のある漢方薬を処方します。冷え症に適応とされる漢方薬には次のようなものがあります。
▼桂枝茯苓丸→顔はのぼせているが、足腰の冷えのある人
▼当帰芍薬散→生理痛やむくみ、めまい、動悸のある人
▼人参湯→手足の冷え、胃もたれのある人
▼六君子湯→手足の冷えのほか、みぞおちのつかえ感がある人
▼十全大補湯→体力が弱っている人、貧血、冷えが特に強い人
▼当帰四逆加呉→下腰が痛む人。
以上が主なものですが、体を冷やさないよう気をつけたり、意識して温かい飲み物を飲むなど日常生活に気をつけることが大事です。
(参考:漢方薬で健康スローライフ入門 薬剤科 菅原麻貴)

血行良くするビタミン

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