広報誌 南東北

第247号

漢方薬

慢性・全身的病気に効果

漢方は中国で発達、日本に渡って独自の発展をしてきた伝統医学。患者さんの自覚症状を重視し病気を体全体の不調和と捉え、正しく整えるのが目的で自然治癒を高めることに重点を置いています。
漢方薬は草根木皮を中心に動物由来の物、鉱物などの天然物を組み合わせて作られます。現在では多くの医師が日常診療に漢方治療を取り入れ西洋医学的な診断に加え患者さんに合った漢方薬を処方しています。複数の病気や症状、慢性的・全身的な病気の治療などに効果を発揮します。
漢方薬は原則として2種類以上の生薬を決められた分量で組み合わせ、用いる条件も細かく定められており、日本では医薬品として正式に認められています。民間薬の中にはドクダミやハトムギなど他の生薬と組み合わせて漢方薬を構成するのもあります。
「漢方薬は安全だから心配ない」と体質を無視し、症状だけで自己判断し服用すると頭痛、腹痛、倦怠感、食欲がなくなるなどの症状が現れることがあります。病気や病期の症状に合った処方でなければ効果がないこともあり、体を温める作用や冷やす作用など逆の結果を招くこともあります。これは副作用ではなく、誤治(誤った使い方)による反応です。服用に際してはその方の体質が影響します。飲み方は水や湯で服用するか、お湯で煎じ、食後2時間くらいに飲むのが、薬の吸収が良く効果が出やすいです。漢方薬は医学、薬学教育のカリキュラムにも取り入れられ、現代医療に欠かせない治療法。西洋の薬と組み合わせて使われることもあり、効果を最大限に発揮するため専門の医師・薬剤師に相談の上で漢方薬を利用されることをお勧めします。
(薬剤科 中野洸大)

体質・症状に合った服用を

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