広報誌 南東北

第249号

ポリフェノールの力

抗酸化作用で老化予防

20年ほど前「フレンチ・パラドックス」という言葉が生まれました。フランス人の食生活は高カロリーなため心臓系の病気を発症しても不思議ではありません。しかし実際にはこうした病気は他の国に比べて若干少ないという調査結果が発表されました。そこで注目されたのが、仏が消費量で世界一の赤ワインでした。赤ワインに含まれるポリフェノールが体に良い働きをしていると考えられたのです。
ポリフェノールは植物が光合成するときにできる物質の総称。CMでよく耳にするカテキン、フラボノイド(アントシアニン)、イソフラボン、などもその一種で代表的な食品は赤ワイン、コーヒー、緑茶などです。苦みや渋みが強く、色の濃い植物の実(特にその皮や種)に多く含まれています。ポリフェノールの力は活性酸素の働きを抑える抗酸化作用。活性酸素は体内で必要以上に生成されるとその酸化・殺菌力によって正常な細胞を傷つけてしまい様々な病気の要因となるからです。
ポリフェノールには3つの特徴があります。@ほとんどの植物(食材)に含まれているA摂取してから3〜4時間ほどしか持続効果がないBポリフェノールは熱に強く加熱処理してもその損失が少ない―です。ポリフェノールを上手に摂るにはこうした特徴を踏まえ、まずはバランスの良い食事を規則正しく摂ることが基本です。そのうえで果物や野菜の皮や種をこれまでより積極的に料理に使ってみては如何でしょうか。果物の皮でつくるジャムやマーマレード、野菜の皮を利用したきんぴらや酢の物など。これらは比較的手軽にでき、ある程度は日持ちするのでぜひ食卓に加えたいメニューです。
種類 含まれる主な食品
アントシアニン ブルーベリー、赤ワイン、黒大豆、黒米、黒ゴマ、紫イモ、イチゴ、ブドウなど
イソフラボン 大豆、味噌、醤油などの大豆製品
カテキン 緑茶、紅茶などの茶類
フラバン グレープフルーツ、レモン、大豆、ソバ、小麦など
クロロゲン酸 コーヒーの生豆、ヤーコン
エラグ酸 赤色のラズベリー、イチゴ、ザクロ、ナッツ類
クルミン ウコン、カレー粉、からし、マスタード
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