広報誌 南東北

第252号

インフルエンザ治療薬

効き目ある抗ウイルス薬

年が明けてからインフルエンザに罹る人が増えてきました。インフルエンザはウィルス感染により普通の風邪よりも急激に発症し症状が重いのが特徴。感染すると1〜5日の潜伏期間後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。健康な人ならその症状が3〜7日続いた後に治癒に向かいます。気管支炎や肺炎を起こしやすく脳炎や心不全になる場合もあります。
治療薬としてタミフル、リレンザ、イナビルなどの抗インフルエンザ薬があります。この薬はインフルエンザウイルス(A型、B型)の増加を抑え、発熱などの症状を早く抑えてくれます。ただウイルスが増えている状態で服用しないと効果がないため症状が出て48時間以内に服用するのが良いとされます。できるだけ早く服用すれば回復が早くなるといわれ、12時間以内が理想的とされています。
タミフルは成人用がカプセル、小児用がドライシップ。1日1回の服用で3〜5日の期間に処方されます。タミフルは10代について服用後の異常行動が取りざたされ、日本では原則使用禁止で10代の患者には処方されません。ただ研究や観察が進み、タミフルが直接異常行動に結びついているわけではなく、高熱によるものでないかとの方向性が出されています。
リレンザは吸引するタイプの薬。腸から血管に取り込まれるまでのタイムラグがないため効き目が早い。1日2回、5日間吸引が通常。タミフルが服用できない10代に安心して使用出来るとされます。イナビルは1回の吸入だけで終り、長い期間効果があります。インフルエンザに罹らないよう手洗い、うがい、マスクの着用などせきエチケット≠ノ心がけ、罹っても周りにうつしたり症状をぶり返さないようにしたいものです。
(薬剤科 中野洸大)

感染後12時間以内が理想的

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