広報誌 南東北

第253号

塗り薬

皮膚の状態で様々な剤形

冬は空気の乾燥により肌に痒みが出たり、寒さで肌がひび割れし痛みが出てきたりする時期です。肌の保護や肌に出てくる症状を和らげるため塗り薬を使う機会が多いと思います。今回は塗り薬について紹介します。
塗り薬は同じ薬品でも皮膚の状態によって様々な剤形があり使い分けできますが、主として軟膏、クリーム、ローションがあります。軟膏とはベタベタした油脂性基剤の塗り薬です。皮膚を保護する作用は強いが薬の皮膚への浸透性が良くないのが欠点です。掻き壊した湿疹や亀裂が入ってしまった手湿疹などに塗っても刺激にならずあらゆる状態の皮膚に使用できます。特にアトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎などのカサカサ肌に適しています。また他のクリーム剤と混合することで皮膚に浸透しやすくなります。
クリーム剤とは水と油を混ぜ合わせて作った乳剤性基剤の塗り薬です。軟膏ほどベタつきが無く薬が肌に浸透しやすいのが特徴ですが、傷に塗ると刺激になりやすく痛いことがあります。慢性化して皮膚が厚くなった湿疹、硬くなった湿疹などに効果的です。水虫の治療にクリーム剤が多く用いられるのは角質への浸透を良くするためです。
ローション剤は外用の液剤でベタつきが少なく塗った後に水分が蒸発するので頭部などの軟膏剤の使いにくい部位に用います。主に皮膚の乾燥を防いだり、痒みを鎮めたりする目的に使います。またマッサージ効果が高い特徴があります。これらを参考に使用する薬剤を選択し皮膚に効果的な治療ができるようにしましょう。
(薬剤科 中野洸大)

軟膏はカサカサ肌に最適

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