広報誌 南東北

第255号

昔ながらの梅干しの効用

疲労を回復、食中毒の予防

最近、梅干しが酸っぱくなくなったようです。そんな風に感じることはありませんか。昔の梅干しは口に含むと唾液腺が盛んに刺激され、それこそ顔が引きつるような酸っぱさ、塩辛さがありました。
一方、最近の梅干しは何だかまろやかです。これは市販されている梅干しの多くが「調味梅干し」だからです。1度漬けた梅干しを水に浸して塩分を抜き、調味料や保存料を加えたものです。こうした梅干しは、梅本来に備わっている有効成分が失われてしまう場合もあります。
昔ながらの梅干しの効用を紹介します。梅干しが酸っぱいのは、梅にクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれているからで直接的、間接的に身体に様々な効用をもたらします。まず疲労回復。梅干しに豊富に含まれるクエン酸によって体内で無駄なくエネルギーが作りだされ疲労物質・乳酸を分解します。次に殺菌作用で梅干しは酸性度が高く強い殺菌作用を持ち、昔から食中毒の予防などに効果があるといわれます。
そしてイライラ解消があります。カルシウムはイライラなどを鎮静化させる作用がありますが、梅干しの有機酸は、カルシウムの吸収を促進する作用があるためカルシウムを多く含む食品、例えば豆腐などと一緒に摂るようにすればストレスなどによるイライラの解消に役立ちます。

  その他梅干しは、胃腸の調子を整えたり、食欲不振回復に効果があります。唾液分泌を促すことで唾液の成分に含まれる消化促進効果や抗酸化作用などの相乗効果も期待できます。ただ梅干しは塩分が多いのが難点です。塩分が気になる人は、新鮮な青梅だけを煮詰めて作られた「梅肉エキス」を梅干しの代わりに摂ると良いでしょう。

イライラなくし食欲不振回復

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