広報誌 南東北

第255号

抗生物質

細菌、微生物の増殖を抑制

中国で鳥インフルエンザが流行、大勢の人が感染しています。感染と関わり深い抗生物質についてお話します。
抗生物質とは医療において細菌や微生物の増殖を抑えるために用いられる物質です。1929年にペニシリンが発見され、それから探索や研究が進み、人工的に合成された抗菌薬や抗ウイルス薬、水虫やカンジダなどに効く抗真菌薬の開発へと進歩しました。
抗生物質は化学構造により何種類にも分類され、感染のもとである菌や疾患に応じて使い分けられます。抗生物質の服用は通常食後。中には食前に効果がある薬もありますが、食後の方が胃の血流が良く抗生物質の吸収が良くなり胃の荒れを防げます。
抗生物質で問題になるのが耐性菌の出現。抗生物質の攻撃に細菌が耐えられるようになり、薬が効かなくなることがあります。飲んだり飲まなかったりすると薬の効果が現れないばかりか耐性のある菌が増殖してしまうので要注意です。医療の現場では主に肺炎球菌、ブドウ球菌、大腸菌などの細菌の感染による発熱、せき、喉の痛みなどの症状や手術後の二次的な感染抑制に用いられます。ただウイルスや真菌などには抗生物質の効きめがないので注意です。

  副作用としては主に腸内細菌まで抗生物質が攻撃して下痢が起こる可能性がありますが、その場合には抗生物質に耐えられる乳酸菌の整腸剤もあります(ビオフェルミンRなど)。菌からの感染は日常的な予防も必要ですが、感染した際の症状の悪化や新たな症状の発言を防ぐためにも抗生物質が処方されたら医師や薬剤師の指示通り決められた日数、量をしっかり飲みましょう。
(薬剤科 中野洸大)

二次感染予防にきちんと服用を

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