広報誌 南東北

第256号

胃薬について PART.1

胃の働きを活発にする健胃薬 消化薬は消化を促す作用

 だいぶ暑さが増してきました。春から新しい環境で仕事をしている方もだんだん慣れて来たと思いますが、中には不安やストレスを抱えている人もいると思います。ストレスで胃痛に悩む人のために胃薬について紹介します。
 胃薬には胃の調子を整える健胃薬、消化を助ける消化薬、胃酸の酸を中和する作用の制酸薬、胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカー、過剰な胃酸から胃の粘膜のダメージを抑制する胃粘膜保護薬、胃の痛みを抑える鎮痙薬(ちんけいやく)などがあります。それぞれ目的に応じて成分が異なりますが、市販の薬では1種類から数種類の成分が配合され様々な症状に対応するようになっています。健胃薬は生薬成分により唾液や胃液の分泌を促し、胃の働きを活発にします。成分はオウバク(ミカン科の木肌の樹皮を乾燥したもの)、センブリ、ウイキョウなどです。市販薬にはこの生薬成分だけでなく消化薬や制酸薬の成分と一緒に配合されているものも多く見られます。
 消化薬は炭水化物(でんぷん)や中性脂肪を分解し消化を促す作用があります。成分はでんぷんを分解する酵素のビオジアスターゼ、中性脂肪を分解するリパーゼがあります。前者はでんぷんを分解して糖にして吸収しやすくする作用がありますが、糖尿病の方は要注意です。食事の前に飲む糖の吸収を抑制する薬を飲んでいる方は、糖尿病の薬が効きにくくなることがあります。薬剤師によく相談してください。

(薬剤科 中野洸大)
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