湿気った海苔を上手に利用
生活習慣病と肥満防止に効果!

おいしい食卓

 
 日本人の朝食に欠かせない焼き海苔。白いご飯との相性は抜群ですが、海苔を料理に使うなら風味を活かすのがコツ。定番はやはり巻物にしたり、浮き身として刻んで使ったり。ホッキなどの汁物に最後にパッと乗せて食べると最高ですよ。そう教えてくれたのは、「食と文化の物語り 海山の幸」でご紹介した奥松島で海苔養殖を営む矢本漁協の女性の方です。
 湿気って風味の失せた焼き海苔なら、おいしい佃煮を手づくりしてみてはいかがでしょう。
 鰹節と昆布の出し汁に、醤油と酒などを加え、ちぎった海苔をひたしておき、煮詰めて砂糖やみりんで味を整えるだけ。最初は作る量を少なめにして、作り方や味付けをいろいろ試してみると、自分だけの佃煮が楽しめます。

海苔の栄養成分について
 海藻類には食物繊維がたっぷり含まれています。海苔も同様で、その栄養成分を見ると約30%が食物繊維。1枚の海苔にはみかん1個分または、ごはん1杯半の食物繊維が含まれていると言われています。
 食物繊維は、便秘予防に効果がありますが、それだけでなく血糖上昇抑制作用やコレステロール低下作用などから、肥満防止や生活習慣病の予防効果も期待されています。
 また、海苔にはカルシウムや鉄分といったミネラルがバランスよく含まれています。ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、Eなども野菜などに比べて大変豊富です。海苔1枚で、牛乳5分の1本分、卵は、5分の1個分のタンパク質を含んでいるというのも驚きです。
 家族の健康には毎日の食習慣が第一。海苔をはじめ古くから伝わる食材を見直し、いろいろな料理に工夫して、健康の増進や維持に役立てたいものです。
自然の恵み、海苔を使った料理に挑戦
食物繊維も豊富で 意外に簡単!

海苔の佃煮
生産者に学ぶ海苔の利用法
材料 (小瓶1瓶ほど)
焼き海苔 10枚
水 1カップ
出し汁(鰹節、昆布) 約50ml
しょうゆ 約50ml
みりん 大さじ1程度
酒 大さじ1程度
砂糖 大さじ1程度
分量は目安です。よく味見をして、自分の好みの味付けを。
作り方
鍋に水、しょうゆ、出し汁を入れ、手で細かくちぎった海苔をひたし、よく混ぜてしばらく置く。
鍋を火にかけ、酒、みりんを加え、中火で煮詰める。よくかき混ぜ、味見をしながら、砂糖で味を整える。
適度にペースト状になったら、自然に冷まして出来上がり。

 
■できるだけ醤油や砂糖は少なめに。海苔は旨み成分であるアミノ酸も豊富なので、十分おいしくいただけます。
また、保存料を使いませんから、保管は冷蔵庫で。
冷凍庫で長期保存もできますが、解凍したら一度火を通してからいただくとよいでしょう。
◎献立・解説/総合南東北病院栄養管理科・老健ゴールドメディア栄養管理料・
総合南東北福祉センター栄養管理課・老健リハビリ南東北川俣栄養管理課
 
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