食品の魅力を探りながら
再発見!ふるさとの味

おいしい食卓

 
 讃岐うどんがブームになり、香川県は麺好きの聖地のようになってしまった。80年代頃からだろうか。椎名誠氏のエッセイ群や、村上春樹氏が紹介した麺食いたちのただならぬ姿に触れ、讃岐うどん遍路に訪れた強者たちもいるに違いない。地元香川では「麺通団」が活躍し、映画「UDON」のモデルともなった。  
 讃岐以外でも全国にうどん文化はある。秋田県の稲庭うどんは特に有名だが、東北各地には地元ならではの食べ方もある。今回は伝統的な手打ちうどんに挑戦し、じゅうねんの冷やだれで味わってみることにしたい。福島県の主に阿武隈山系で暑い時期に食卓を彩る郷土の味だ。もちろん市販のうどんを使っても構わない。


<じゅうねん(荏胡麻)とは>
 じゅうねんは、荏胡麻(えごま)とも呼ばれるため、ゴマの仲間のように思われがちですが、実はシソ科の植物です。近年は健康食品としても人気が高く、スーパーでも簡単に手に入ります。  
 その成分は60%以上がアルファ・リノレン酸。生活習慣病や視力障害、アレルギーなどへの有効性も指摘されているようです。
 
<手打ちうどんの簡単な打ち方>
 うどんもどうせなら手打ちに挑戦してみて下さい。意外に簡単に美味しいうどんを楽しめます。
1、うどん粉を大きめの鉢やボールなどに入れ、塩を溶かした水を一気にかける。中身がそぼろ状になるまでかき混ぜる。(水回し)
2、水回しの終わったそぼろ状の生地を、大きな固まりになるようにこねてまとめます。
3、こねてできた生地の玉をビニール袋に入れ、体重をかけて足で踏み伸ばします。生地が伸びたらまた畳み、これを4〜5回繰り返します。時間を節約するなら、そのまま4の作業に取りかかっても良いのですが、生地を丸め、ビニール袋に入れて2時間ほど暗い場所で寝かせれば、さらに美味しくなります。
4、生地がくっつかないように打ち粉(うどん粉)をしっかりとふりながら、麺棒で生地をのばします。
5、厚みが3ミリ程度になったら切りやすい幅に生地を畳み、3ミリ幅を目安に麺切りします。
6、麺はほぐすようにして打ち粉を払い、一人分をまとめておきます。
1、 2、 3、    
4、 5、 6、
 
 
じゅうねん(荏胡麻)の 冷やだれ田舎うどん
材料(2人分)
[じゅうねんのたれ]
じゅうねん 40g
醤油 30cc
味噌 大さじ2
砂糖 20g
タマネギ 1/4個
キュウリ 1/4本
大葉(シソ) 2枚程度
だし汁 200cc
だし汁は市販の鰹だしを使用
[うどん]
うどん粉(薄力粉) 200g
90cc
10g
※うどんは手打ちでなくても可
 
作り方
じゅうねんは、炒って、すり鉢でする。すりあがったら分量の味噌、砂糖を入れ、だし汁を加え、 よくかき混ぜます。そこにスライスしたタマネギとキュウリ、千切りにした大葉を入れ、よく馴染ませます。
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、うどんを入れて泳がせるように茹でる(手打ちなら15分程)。 茹であがったらザルに取り、冷水で洗い、水切りする。(手打ちうどんの打ち方は本文を参照)
うどんを器に盛り、じゅうねんのたれは別の小鉢に入れて用意し、麺をつけて食べます。暑い季節にはたれに氷を浮かべてきりっと冷たくするのも美味しい食べ方です。





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